ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
7話 ボス攻略会議
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ドロップ率0.03パーセントという、あのリトルネペントの胚珠よりもドロップ率が低いため、100匹狩り終わってもまだ1つも出ない。2人合わせて3つも必要なため、先は長そうである。
結局、昼前から戦闘して、3つ集め終わったのは日が傾く頃であった。
「結構時間かかったね」
「だな。まぁ、俺たちのリアルラックのなさは証明されてるようなものだから、今更期待なんてしてないよ」
「あはは、確かにね」
やっと終わったことに対しての解放感からか、2人の足取りは軽く、トールバーナへと引き返す。東門からはいって、3軒目の民家の中にいる、椅子に座ったガタイのよい男に話しかけると、すぐさまクエスト達成の文字が目の前に浮かび、経験値と報酬が映し出される。
よく見ると、その男の足には包帯が巻かれている。このクエストは、普段コボルト・ヘンチマンを討伐し、この街に近づけさせないようにするのが、この男の仕事なのだが、誤って足を怪我してしまって、戦闘ができない。このままだと、コボルト・ヘンチマンが増えすぎて、街の安全が揺るぎかねない。だから、怪我をした自分の代わりに、ヘンチマンを討伐してくれないか。ざっくりいえばこんな内容のクエストだ。そもそも街は圏内に設定されていて、モンスターは侵入できないし、もし入ったとしてもHPは保護されているので、命が脅かされることはない。まぁ、これはただのクエストであり、そこまで考える必要もないだろうが。
クエスト報酬ももらい、さあ、これから武器屋に行って、武器を強化しようという時だった。
βテストの時に、ずいぶんなじみのある気配がし、リアとツカサは同時に振り返った。
「今日も相変わらず仲良しなんだナ」
ニヒヒ、と笑う、小柄なフードをかぶったプレイヤー。語尾に鼻音が混じったような話し方が特徴的だ。かわいらしい金髪の巻き毛に、なぜか頬には動物の髭のようなものが3本ずつ書かれており、いつ見ても齧歯類にしか見えない。そんな容姿から“鼠”と呼ばれる彼女は、おそらくアインクラッドで最も腕利きな情報屋だろう。
彼女はリアたちと同じβテスターであり、そのころからなじみがある。最近はかなり頻繁に会うことが多い。
「こんにちは、アルゴ。なにかいい情報でも入ったの?」
たいがい、アルゴから話しかけてくるのは、何かいいネタが入ったときだけだ。だが、驚いたことに、鼠は首を振った。
「いヤ、今日はたまたま見かけたから話しかけただけダ。フードをかぶった2人組なんて、リーちゃんとツー君しかいないからナ」
そう、リアとツカサは今はフード付きのマントを深々とかぶっている。あのチュートリアルの時の演説と、サポートから、特にリアはアインクラッドでは知らない人がいないというぐらいに有名人で
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