ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
3話 レクチャー
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リアは誰もいないことを確認すると、ゆっくりとうなずいた。
「やはりまだあまりソードスキルには慣れていないようですね。デスゲームと化している今ですから、まずは安全のためにここで基礎からやりましょう。皆さん、一人ひとりかなり動いても当たらないぐらいに広がってもらってもいいですか?」
リアの言葉を聞き、ぞろぞろと皆が広がり始める。一万人を収容できるほどであるため、100人がそうとう広がっても問題ない。
皆が十分な広さを確保したことを見てから、教え始める。武器の構え方や重心の落とし方、攻撃をステップでかわすやり方、武器の振るい方、そしてパリィ。初歩中の初歩であるが、これが戦闘では最も重要なものなのだ。これさえ完璧にできれば、あとは経験を積むだけである。
リアは大方丁寧に説明した後、一人ひとり見て回った。人にはそれぞれ体の特徴がある上に、動きにも特徴を持つ。そのため、リアが教えたスタンダードなものがしっくりこない、ということも少なからずあるのだ。リアは個人の特徴を見て、それぞれに合ったものを提案する。それらのアドバイスは実に的確であった。
そこから、ソードスキルに移る。それぞれの武器の初級ソードスキルの練習を始める。スキルを発動しても、自分の体が勝手に反応することに驚き、強制終了してしまう人や、スキル後にバランスを崩して倒れ込む人など、さまざまだった。リアは根気強く、わかりやすいように説明する。
リアの指導は完璧といってもいいほどのクオリティであった。大体、リアの主武器は長剣に近い片手剣。それなのにスピアやハンドアックス、曲刀などを使ったことがあるように(というか使ったことがある)こと自体、異常なのだ。それに加え、100人近い人の名前を全員聞き、即座に覚えてしまうという記憶力も。
「エギルさん、なかなかいいですね。あとはもう少し最初の立ち上がりの時のタメがなくなれば最高です」
「タメね、なるほど。やってみる」
「クラインさんは、スキル後の姿勢が崩れてしまいがちなんです。スキル硬直があるので、それはかなり致命傷になってしまいます。慣れていないせいもあると思うので、もう少し数を重ねて、ある程度できたら、スキル後にまた動き出す練習をしてみてください…って、クラインさん、聞いてます?」
「…へ?あ、はいっ!!もちろんですっ!!」
惚けてリアを見ていたクラインは、呼びかけられると飛び上がって敬礼をするしぐさを見せる。リアはその様子のおかしさにクスッと笑った。そして「頑張ってくださいね」という言葉を残して次の人のところへと行ってしまう。ズッキューン!!という音が聞こえた気がした。クラインはどうやらソードスキルどころではないらしい。…しかし、正直それはクラインだけで
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