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ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
3話 レクチャー
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 翌日、広間には100人ほどが集まっていた。多いとみるか少ないとみるか。リアはどちらかといえば多いと思った。命の危険などほとんどない現実世界でぬくぬくと暮らしている中から、いきなり一瞬の気のゆるみが命につながる戦いをしようというのだし、昨日の今日で、よく決心が固められたなと思う。もちろん、全員が全員命をかけた戦いというものを本当に理解しているわけではないだろうが。
 

 リアが周りの人たちとしゃべっている彼らに近づくと、彼らがそれに気づき、一気に静まり返る。と、その中から一人の人物がリアに向かって出てくる。一言で言えば巨漢な黒人だった。筋肉隆々のたくましいからだを初期装備に包み込み、背には大きな戦闘斧を担いでいるが、その体にかなり不釣り合いなような気がした。もちろん、それは彼があまりにも大きいせいである。そして頭はスキンヘッド。その風貌は最初彼を見た人は恐怖を感じるほどであろう。しかし、リアは臆することなく同じように彼に近づいた。

「はじめまして、俺はエギルだ。今日はレクチャーをよろしく頼む」

 男性らしい、低く落ち着いた声であったが、その口から発せられたのは流ちょうな日本語であった。おそらく黒人の血が混じっているが、日本生まれ、といった感じだろう。

 リアもにこやかに笑う。エギルと名乗った彼の後ろの男たちがときめいているのにはお構いなしに。

「初めまして。リアといいます。こちらこそお願いしますね。今日は皆さんのレクチャーを全力でやらせていただきます」

 そういって、リアは軽く会釈をする。なかなかの破壊力だ。

「ではさっそく始めさせていただきますね。皆さんにお聞きしたいのですが、この中でもうソードスキルになれてしまった、と言えるぐらいの人は何人ぐらいいますか」

 …誰も手をあげる者はいない。それもそのはず、ソードスキルというのはこの世界を一番象徴するものであり、同時にオリジナルのものだからである。決められているあるモーションを起こすと、アシストが加わったソードスキルというものが発動される。ソードスキルを使用すると、ダメージが加算されるため、同じ回数をソードスキルなしで斬りつけるよりも多くのダメージをモンスターに与えられるようになっている。


 このような良い点がある一方、悪い点があり、それは慣れるのにほとんどの人が少々の時間を要するということだ。何しろ、システムアシストを体が受けるのだから、勝手に体が自分の意思とは関係なく動いているように感じるため、変な感覚に陥るのである。もちろん、それは慣れてしまえばどうということもないのだが。


 身近な例を挙げるとすれば、電動自転車だろうか?初動を助けてくれる電動自転車に初めて乗ったときに戸惑う人も多いだろう。あのような感じが体に起こるというわけである。
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