16話:捕虜交換の余波
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にコルネリアス兄上に同席をお願いしていたが......。堅物だと厳しいが腹黒なら何とか合わせるだろうけど。そうこうしているうちに車の用意が整ったようだ。どこからともなくコルネリアス兄上がニコニコしながらあらわれた。
「ケーフェンヒラー男爵、ルントシュテット伯が次男、コルネリアスでございます。同乗させて頂きますがよろしくお願いいたします。」
挨拶まで始めたよ。ほんとは俺が紹介するのがマナーなんだけど、紹介されないと置いて行かれる可能性があるから先手を打った感じだな。と言う訳でいつもの飲み屋街へ地上車で向かう。あのルールの事前に説明しとかないとな。
「ケーフェンヒラー男爵、お忍びで殿下と合う際にはあるルールがございます。失礼ですが、普段なにかあだ名とかで呼ばれたりすることはございますか?」
「あだ名ですか?うーむ。階級は大佐でしたが如何とも。」
「左様ですが。殿下の呼び名はご自分で紹介されるでしょうが、お忍びの場では私の事はザイ坊、コルネリアス兄上の事は腹黒、運転している従士はフランツと言いますが右腕と呼んでください。」
「はあ、ザイ坊、腹黒、右腕ですか......。」
「あと、呼び名は私が決めることになっていますので男爵の呼び名も私が決めることになりますが宜しいですか?」
男爵は困り顔だが、了承してくれた。
ここは勢いに任せて流れでいってしまおう。
「では男爵の呼び名ですが、お人よしとします。」
お人よしが決まったころに飲み屋街についた。いつものマスターの店に入る。今日は2階を貸しきりにしてあるはずだ。フランツには階段で待機してもらう。個室に入るといつも通り兄貴と叔父貴が酒を飲んでいた。始めたばかりのようだ。
「おお、ザイ坊。今日は腹黒も一緒か。新顔もおるようじゃな、私は兄貴、こっちは叔父貴だ。ザイ坊、新顔は何と申す?」
「兄貴、新顔はお人よしだよ。自分の利益にもならないのに責任を抱え込むまともな方です。」
「ほほう、お人よしか。この会に参加する資格はあるようじゃな。」
などと、言いながらお酒を飲み始めた。俺はスッとイスに座って兄貴と叔父貴にお酌をする。
「あっ。兄貴、お人よしはレオを飲んだことないはずだから、良ければ飲ませてあげてよ。」と振ると
「それは人生を損しておるな。美酒と美食を楽しむが良い。」
などと言いながら、レオをお人よしのグラスに注ぐ。男爵もどうしたものか困っていたが
「は。このお人よし、兄貴の美酒を心して味わいまする。」
などと言いながらこの場を楽しみだした。腹黒も自然に料理を食べながら、お酌を始めた。しばらくは近況をお互いに話しあう。
俺は自領で新しく始めた取り組みなどを、兄貴はレオをうまく売りさばいている件について話し
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