REST STAGE :灰被りの憧憬
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いてまたいじめられるんじゃないかと怖かった。でも、彼は穏やかで優しく、ラディをいじめもしなければ何かを押し付けることもしない。
家事は基本ポケモンたちに任せているが、時折こうしてご飯を作ってくれたりする。ラディもたまにマネするが、彼の方がうまい。
最初は家のことを何もせず住まわせてもらっていることを申し訳なく感じたけど。スズも、クルルクも、まだ子供なんだからそんなこと気にしなくていいと笑った。その笑顔を見ていたら、なんだかそれでいい気もした。
テーブルに着き、二人とポケモンたちで朝ごはんを食べる。
「今日はメレメレに予告状が届いてるからねー。今日で四回目の勝負だよ」
「じゃあ、今日で二勝二敗に追いついて見せるわ!」
「ふふん、そううまくいくかな?こっちは新技を開発したからね!」
「私だって……レイの力を引き出す戦法を考えたんだから!絶対追いつくわ!」
子供らしい意地の張り合いがしばらく続く。その後クルルクはちょっと真面目な顔になった。
「……でも、ほんとに無理はしないでね。僕とラディの勝負はこれからずっと続くんだし……ラディがポケモンバトルを頑張って覚えてるの、知ってるからさ」
「わ、わかってる……」
スズにメレメレを守るヒーローとしての地位を渡されてから、ラディは一生懸命ポケモンバトルを覚えた。もともとあの家で厳しい仕事を強いられてきた彼女は、多少の無茶を無茶と思えない。勉強や特訓のしすぎで熱を出して倒れることもたびたびあった。あの家では誰も看病などせず(アネモネがちらりと見に来ることはあったが、大したことはしなかった)、ただ寝ていればその分仕事を押し付けられなくてよかったから熱などむしろありがたいくらいだったけど。
「僕……心配だよ。ラディとはライバルだけど、妹みたいな人でもあるから」
今は、クルルクがとても心配してくれる。氷水を持ってきたりおかゆを作ったりしてくれる。それはとても心が温まるけど、同時に病気になりたくないとも思うようになった。
「だいじょうぶ!今は加減を覚えたし……怪盗クルルク、お前は自分が怪我しない心配でもしておくんだな!今日のオレは容赦しないぞ!!」
怪盗クルルク、のところから声音を変え、ヒーローとしての口調で言い放つ。クルルクはそんな彼女の様子に安心したように笑って。
「ふ……そうだね。メレメレライダーには余計な心配だったね」
「そうだ!オレはこの島を守るために……応援してくれる子どもたちのためにも負けたままでは終わらない!」
「あはは!やれるものならやってみなよ!」
「うん!」
そういうと、ラディはにっこりと笑った。今の自分はヒーロー、メレメレライダーだ。昔自分がテレビのヒーローにあこがれたように、本物のヒーローになって子供たちを楽しま
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