06.そうだ、刑務所に逝こう。
第20回
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透明な薔薇の様なものが出来るー能力が特殊すぎて−。にー、面白いくらい強い−。有り得んくらい強いのであるー」
「まぁ、只単に僕達は特殊だと言う事ですよ」
「で、主。何でいきなり自己紹介?」
「するべきな気がしたから!」
「一寸何言ってるか分かんない」
じとーっと言う視線が向けられ、ふいっと視線を逸らすと、ラルが此方を見て言う。
「で、大丈夫ですか? 精神的に」
此れ、意味が分かった自分が辛い。
「大丈夫だよ? 首領に傷つけられて? 兄に捨てられて? 兄を取られたとしても? 私は大丈夫だよ?」
「「バリバリ駄目じゃ無いですかー……」」
「あははー……でも、本当に大丈夫! 気にしてないし、全ては軍の為だから………」
にこにこと、無理矢理笑みを浮かべ、明るく振る舞う。
だが、ラルとグレースは私の前に立って、私の頭をぽんぽんと撫でた。
「「僕達は、ずっと貴女の隣に居ます」」
………子供扱い。本当に止めて欲しい。
だけど、今は何故か嬉しかった。
「……捨てたら殺す」
「捨てる訳無いじゃないですか」
「何を言われようと、離れてあげないから」
顔の紅潮を隠すために、私は席を立った。
◇ フラン視点 ◇
琴葉君が失踪して、一週間。
「探せ………探せッ! 早く!!」
構成員総動員で、彼女を探していた。
「フラン!」
「……葉月君。何か情報でもあったのかい?」
「否……悪ぃ」
白猫の構成員も彼女を探した。
彼女には其程の価値があるのだ。
「失礼します、首領」
「………水城君か」
「少し休まれては……」
「駄目だ」
拳を握り締め、机に打ち付ける。噛み締めた唇から血が流れる。
「早く琴葉君を探さなければいけない………」
椅子から立ち上がるが、直ぐに視界が歪む。此れは拙いなと思うが、体が上手く動かない。
「首領!」
水城君は私の体を支え、流れるような動作で背中に乗せる。隣室に運び、ベッドの上に優しく下ろして、直ぐに布団を掛ける。そうだ、琴葉君は疲労で倒れることが多かったから……
「水城君」
私は小さく彼の名を呼ぶ。その後はい、と小さく声が聞こえた。
「彼女は最後に『聖月さん達が元の世界に帰る日、私達は貴方達を一人残らず殺す』と言っていた。一人でも良い………一人でも良いから、生き残れるように遠くへ逃げさせてくれないか?」
分かりました、そう声が聞こえた時、意識が途切れた。
◇ 琴葉視点 ◇
「………ねぇ。ラル、グレース」
薄暗い自室ベッドに寝転がりながら、部下の名前を呼ぶ。
「何で
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