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空に星が輝く様に
75部分:第六話 次第にその十三
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だからね。食べよう」
「有り難う」
 妹への言葉だった。
「おかげで美味しく食べられるわ」
「そう。じゃあ御飯おかわり三杯までね」
「ちょっと待ちなさいよ」
 今の言葉にはすぐに突っ込みを返した。
「何で三杯までなのよ。私は四杯でしょ」
「だってお姉食べ過ぎだから。ダイエットしたら?」
「そんなのする必要ないから」
「必要ないっていうの」
「そうよ、ないわよ」
 星華はあくまで言う。
「だって今までずっと動いてたんだし」
「けれど油断したらすぐに」
「だからその心配は無用なの」
 むっとした顔になっての言葉になっていた。
「本当に今まで部活でへとへとなんだから」
「そうなの」
「そうよ。うちの学校って部活も厳しいんだから」
「勉強だけじゃなかったんだ」
 星子はそれを聞いて目をしばたかせながら述べた。
「そうだったんだ」
「そうよ。うちの学校は勉強もスポーツも大真面目なんだから」
「凄い学校なのね」
「そうよ。厳しいわよ」
 これを妹に言うのだった。
「あんたも受けるつもりよね」
「うん、そうだけれど」
「じゃあ気をつけなさい。うちは文武両道よ」
 既にその八条学園の学生になっている言葉だった。
「凄いんだから」
「私も頑張らないといけないのね」
 星子はこのことを実感するのだった。
「じゃあ。勉強だけじゃなくて」
「そうよ、身体も鍛えておかないとね」
「おいおい、二人共八条か」
「また同じ学校なの」
 二人の話を横で聞いている両親が笑いながら言ってきた。
「これは本当にトンビが鷹を産んだな」
「そうね。私達の娘とは思えないよ」
「けれど顔そっくりじゃない」
「ねえ」
 娘達は笑って両親に返す。
「髪の色はお父さんで」
「顔はお母さんで」
「けれど胸は星子にいったな」
「それと背は星華にね」
「ま、まあそれはね」
「言わない約束で」
 それぞれ胸や背の話にはコンプレックスがあるらしい。見れば確かに星華は胸がないし星子は背が低い。確かにそれぞれ分かれている。
「とにかく。お姉」
「ええ」
「私も八条行くから」
 これを言うのであった。
「楽しみに待っていてね」
「そうさせてもらうわ。じゃあこれを食べたら」
「勉強?」
「その前にドラマ観るわ」
 まずはそれだった。何につけてもそれであった。
「それからね」
「まずはドラマなの」
「それ観ないと。せめてドラマ位いいじゃない」
 そんな話をしながら今は一家団欒の時を過ごす星華だった。とりあえず今は平和であった。だがそれがどうなるかは誰にもわからないものだった。


第六話   完


                 2010・4・6

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