第六十九話 西に向かいその八
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「だからね」
「お店の店員として巻き上げるとかは」
「それはプロだから」
ギャンブルのそれだというのだ。
「親じゃない」
「ギャンブルのね」
「ギャンブルは親じゃないと儲からないっていうし」
店を経営している側もそれになるというのが留奈の論理だ。
「だからそういう人は別よ」
「そうなんだ」
「そう、そしてね」
「おいらの場合はいいんだ」
「お店にいるのはいいとして」
それはいいというのだ、留奈も。
「自分達がやることはね」
「駄目か」
「お金失くして家庭崩壊させるだけよ」
「それで問題は後者だっていうんだな」
「ギャンブルで身を滅ぼす人は多いし」
「家族を不幸にする奴もか」
「多いから」
だからだというのだ。
「やるなら経営側よ」
「シビアな話だな」
「だからヤクザ屋さんもやってるのよ」
昔から賭場はそうした者達の稼ぎの場だった、江戸時代の日本でも寺や神社、公家から場所を借りてヤクザ屋が賭場を開いていた。そして寺社や公家は場所を提供する分の上納金をヤクザ屋達から貰っていたのだ。
「儲かるからね」
「余計にシビアな話だな」
「だから自分達がやるのはね」
「止めた方がいいか」
「お金は捨てるし」
「家族も崩壊させるか」
「親戚の従姉妹の娘達お父さんを凄く嫌っていてね」
博打に精を出していたその漫画家をだ。
「早く死ねばいいって言ってたから」
「家族にそう言われたらおしまいだな」
「そういうのを見てきたからね」
「だからか」
「そう、私は言うわ」
「ギャンブルは止めた方がいいか」
「やるならお店をやることね」
あくまでこう言う留奈だった。
「だから私はしないしね」
「俺達がすることもか」
「止めるわ」
そうするというのだ。
「無駄な出費と何かが壊れる元はね」
「ううん、ギャンブルって儲けるものじゃないことはね」
そのギャンブルが得意な淳二も言ってきた。
「実際にそうだしね」
「あんたもそう思うでしょ」
「おいらもよくお店で言われているから」
アルバイト先の雀荘でだ、淳二は先輩の店員さん達に実際にそう言われているのだ。
「欲を出すとね」
「その欲でよね」
「お金を失うからってね」
「欲を出したら周りが見えなくなるから」
「そうそう、それで目先のことも見えなくなってね」
「何も見えなくなるとね」
「何も成功しないよ」
これはギャンブルでも他のことでもそうだ、何も見えなくなってしまっては何かをしても成功する筈がないことだ。
「だって何も見えていないとまともに考えられないし」
「考えられないとね」
「変なことばかりするから」
そうなってしまうとだ、淳二も話した。
「だからね」
「ギャンブルも成功しないわね」
「だから
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