73部分:第六話 次第にその十一
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第六話 次第にその十一
「西堀に何も言えないじゃない」
「あいつ只でさえ何もしないし」
「どうしよう」
「いない時狙うしかないわね」
これが星華の出した答えだった。
「ここはね」
「そうね。それだったらね」
「あの二人、特にちびっ子がいないうちにね」
「その時に何とかしないと」
四人で話す。そして星華はここでまた話した。
「そうそう、いいこと思いついたけれど」
「どうするの?星華ちゃん」
「何かいいタイミング見つけたの?」
「授業中は何もできないわよ」
この時間はだった。しかしそれでも星華は言うのであった。
「だから。学校の行き帰りとかの時間よ」
「ああ、そうした時間ね」
「その時間ね」
「その時なのね」
「そうよ、その時よ」
まさにその時だというのだ。
「その時にやればいいじゃない」
「そうよね、その時間ならね」
「あのチビもいないし」
「あのデカブツもいないし」
椎名だけでなく赤瀬に対しても忌々しげに話す。
「それならその時にね」
「仕掛ければいいわよね」
「じゃあメインはやっぱり」
「ええ、見張っておくから」
星華が楽しげに笑って言ってきた。
「安心してね」
「ええ、連絡してね」
「集まれたらすぐに集まるから」
「絶対にね」
三人もそれぞれ言う。そんな話をしていた。しかしであった。
星華は知らなかった。陽太郎のことをだ。彼女は何とか頃合いを見ようとするが彼女にとって残念なことに部活が忙しくなってきたのだ。
「はい、後片付け御願いね」
「皆でやるわよ」
「はい」
先輩達の言葉に応える。この学園の女子バスケ部は顧問の先生の方針で先生も先輩も含めて全員で後片付けや掃除をすることになっている。
当然一年の星華達もだ。彼女が後片付けをする時大抵夜になっていた。
「参ったわね」
ジャージ姿でぶつくさと不平を言っていた。
「これじゃあ」
「あれっ、どうしたの?」
「何かあったの?」
すぐに周りが彼女に問うてきた。
「これじゃあって」
「どうかしたの?」
「あっ、何でもないわ」
咄嗟にそれを誤魔化した。
「何でもないから」
「そうなの。それにしてもね」
「最近部活ハードよね」
「そうよね」
彼女の周りの一年の面々は苦笑いと共に言うのだった。
「毎日遅くまで練習だしね」
「まあ練習試合も近いしね」
「それも続くし」
「そうそう」
練習が遅くなっているのはそのせいだった。
「それに向けてだしね」
「けれどもう他の部活皆帰ってるわよ」
「道場も閉まってるし」
「ええ、そうね」
星華は道場の話が出るとすぐにむっとした顔になった。
「剣道部と居合部のあそこよね」
「両方遅くまでやる部活だけれどね」
「
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