13話:謁見と内々の話
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宇宙歴753年 帝国歴444年 1月下旬
首都星オーディン ルントシュテット所有車内
ザイトリッツ・フォン・ルントシュテット
俺たちは今、地上車で新無憂宮に向かっている。非公式とはいえ陛下に拝謁するので、父上も同乗している。個人的にはおばあ様にも来ていただきたかったが謁見自体が一つのステータスなので、基本は当主のみであり今回は俺が主役なので、当主の父上が付き添うというわけだ。
話は少し戻るが、グリンメルスハウゼン邸での話し合いを終えた後、ルントシュテット邸はいくつかの驚きに包まれた。両親やおばあ様からすると、まだ6歳の子供が手掛けたお酒が自分たちも気に入ったとはいえ、既に御用達としての取り扱いが確定しており、さらに後継者争いからは一歩引いているとはいえフリードリヒ殿下にご差配頂けることに驚きの声を上げていた。
レオの命名の経緯を話した際は、おばあ様は涙ぐんで喜んでくれた。あまりにべた褒めしてくるので少し照れ臭かったが、今となっては俺の一番の理解者だし、胴元でもあるわけだ。俺も嬉しかったし、期待に応えられてホッとした部分もあった。
まだ、仲間内での呼び名で、殿下と呼び合っている件は両親とおばあ様にはバレていない。
とは言え兄上たちには兄貴と叔父貴の正体は伝える事にした。反応は面白いくらい別れた。
堅物こと長兄ローベルトは恐れ多い事をなどと呟いていたが腹黒こと次兄コルネリアスは皇族とあだ名で呼び合う関係をむしろ楽しみにしている様子だった。
ここは、正式な場で会う際は長兄に。非公式な場で会う場合は次兄に同席をお願いする事にして適材適所を意図しようと思っている。
というのも、レオに関して後ろ盾を頼む以上、兄貴や叔父貴との面会は定期的に必要になる。ただ、ここでルントシュテット伯である父が前面に立つと、派閥を持っていなかった兄貴が、当家を軸に軍部に近い貴族たちを糾合して新しく派閥を作ろうとしていると取られかねない。
なので、縁ができたルントシュテット家の子弟と遊んでいると誤認させる意味も含めて、父上には一歩引いてもらう形で事業を展開していくつもりでいる。まあ要相談って所だろう。
そんなことを振り返っているうちに新無憂宮の後宮に近い裏口に到着した。今回の謁見はあくまで非公式なものなので謁見の間ではなく、後宮から近い応接室で行われることになっている。父上に続いて、先導する狐顔の男性についていくと、かなり豪奢な一室に案内された。
部屋に通される際に、なにやら胡散臭げな視線を狐顔から向けられた。門閥貴族の血縁だろうが、なんでこんな子供が非公式とは言え拝謁を?とでも考えているのだろう。非公式とは言え謁見を許したという事は陛下が称賛したい労いたいと考えているわけで、内心はどうであれ、それを客に気づかれる時点で、俺ならクビにするか
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