11話:兄貴の正体
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ドリヒ殿下、判断が遅れ申し訳ございません。ルントシュテット家としては是非とも後ろ盾と差配をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか?。」
「うむ。喜んで務めさせてもらおう。命名については大吟醸のままで良いのかな?」
これだけは胴元への恩返しもあるから譲れない。
「殿下。大吟醸は祖母マリアの尽力がなければ作成は困難でした。よろしければレオと命名することをお許しください。祖父レオンハルトにちなむ名となりますし、古代語で獅子を表す言葉でもございます。いかがでございましょう?」
「うむ、レオか、良き呼び名であるな。そうするとしよう。」
よし、これでおばあ様の機嫌は何とかなるだろう。
「あとは褒美の事だが、何か希望はあるかな?」
父上に目線を向けるが俺の方を見たままだ。つまり俺が決めていいってことなんだろうけど、これも考えていたことがある。さて、どう切り出そうか。
「殿下、今回ルントシュテット家はお力添えを頂いて新しい利権を確保いたしました。そうなりますと、さらに金銭・債券・利権と言った物を頂くのは妬みを招くでしょうから危険でしょう。爵位も当然危険です。爵位と強欲さしか取り柄が無い方が多数いらっしゃるようですし。
そこで確認して見たのですが、祖父に率いられた方々も含め奮戦むなしく叛乱軍に囚われている帝国臣民が約150万人。帝国軍が捕虜とし更生を試みるも反省の色がない叛徒どもも約150万人いるそうです。これを交換することを褒美としては頂けないでしょうか。
祖父レオンハルトを支えてくれた者たちが、苦しい生活を強いられているのはルントシュテット家の名誉にも関わると存じます。また陛下は無駄をお嫌いとのことでした。更生の余地のない者どもの食費が浮き、限界まで奮戦した臣民が帰還すればまた帝国に尽くしてくれましょう。いかがでしょうか?。」
「うむ。その提案は良いものであるが、いささか褒美の色が薄いと思われるやもしれぬ。その時は如何する?」
「今後ともレオを陛下にご愛飲いただければと。陛下にご愛飲いただき、殿下にお力添え頂ければいつの日か帝国軍人が戦勝を祝う際にはレオでなければという日が参りましょう。これ以上の褒美はございませぬ。」
褒美に関しては一応考えてはいた。金は稼げばいいし、そうなると利権も敢えてもらう必要はない。爵位はもっと危険だし、俺には必要ない。男爵でももらって、コルネリアス兄上にいずれ継いで頂くのも考えたが、まだ高々12歳。反感を食らうだけだし何だかんだであの人も優秀だと思う。お膳立てしなくても爵位くらい勝ち取るだろう。
そうなると欲しいのは兵士からの信望だ。ルントシュテットは兵士を見捨てない。大事に思ってくれるというイメージがあれば軍歴を積むうえでかなり協力を得られるだろう。私欲を捨てて捕虜
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