11話:兄貴の正体
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そんなこんなで少し間をあけてから子爵邸に向かった。伯爵邸から子爵邸まではそんなに距離はない。すぐに執事らしき先導され応接室に入ると兄貴と叔父貴が待っていた。
「これはフリードリッヒ殿下、お久しゅうございます。ルントシュテット伯ニクラウスでございます。」
「ニクラウスが3男、ザイトリッツでございます。」
兄貴は楽にせよというと面白そうに視線を向けてきた。さすがにあの出会い方で実は殿下でしたは無いだろう。
「グリンメルスハウゼン子爵には、ザイトリッツが貴重なご意見を頂いたようでありがとうございます。」
などと父が正式な場での挨拶を交わすのを横目に、この先の事を考えていた。おそらく良い形にまとめられる。すると叔父貴メインで話が始まった。こういう場では、御付の人がお言葉を伝える感じになるらしい。叔父貴、うまく話してくれないと後で怒られるから頼むぜ。
話の内容としては
・殿下とお忍びでオーディンを散策している際に縁があった事
・助言はしたが、受け取った品はとても出来が良く驚いた事
・世に出すにあたって、まずは皇室に献上したい事
・両親の負担を憂慮しており、差配の面で後ろ盾が欲しい事
・既に陛下に献上済みでありお墨付きの一段上の御用達はもらえる事
・近いうちに非公式ではあるが拝謁がかなう事
・拝謁の際に褒美が与えられるので、希望する物があれば申告してほしい事
って感じだった。正直満額回答だよ。兄貴と叔父貴やるなあ。こんだけ仕事も早いし、兄貴と同席した連中はなんだかんだ懐いてる。親分たちの態度を見ても人徳みたいなものはあると思うけど、なんで後継者争いから脱落したんだろう?。
視線を父上に向けると、まだ思考が追い付いていないようだ。折角満額回答を用意してもらったのに、まごつくのは申し訳ない。
「殿下、子爵様、この度のご配慮ありがとうございます。父上、私も考えていた事がございます。それをお話し致しますのでその上で、最終的なご判断をされてはいかがでしょうか?」
・皇室の御用達を得た以上、大吟醸が利権となること
・後ろ盾がないと門閥貴族の介入があると予測される事
・リヒャルト皇太子とクレメンツ殿下の派閥で対立が深まっていること
・片方に付けば万が一の際、報復が予想される事
・派閥に入っても新参者であるため、介入は防げないこと
ここまでを話したうえで
「以上を踏まえますと、大吟醸に関してはフリードリヒ殿下に後ろ盾をお願いし、差配も恐縮ではございますがお願いするのがよろしいのではないでしょうか。貴重なご意見を頂戴したも確かですし、皇室の御用達を頂けたのもお力添え頂けたからです。他の方に後ろ盾をお願いすると不義理になるかと。」
そこまで話すと父上も判断を下したようだ。
「フリー
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