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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
10話:兄貴の感想
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兄貴と叔父貴のグラスに大吟醸を注いでいる。兄貴が話し上手なのもあるが、腹黒が気配り上手なのもあるだろう。堅物はメシをパクついていただけだしね。それにしても兄貴は酒だけじゃなくて美食でもかなりの知識を持ってるみたいだ。出てくる料理は確かに旨いけど、料理人の腕の見せ所やその素材の出どころとか面白く話してくれる。

勝手な俺の予想だけど、親分たちも兄貴から飲食店の経営コンサルみたいな事をしてもらっていたのだと思う。そうでないと、あんな高額になるまでツケを待つ理由がないだろうし。とは言えいい時間だ。そろそろ戻らないとまずいだろう。

「兄貴、今日もありがとう。すごく勉強になったよ。持ってきた大吟醸は置いていくから、親分やマスターにも試してもらって。」

「うむ。ザイ坊はしっかり配慮できる男じゃな。とはいえ、腹黒もなかなかじゃ。こちらも楽しかったぞ。」

「はい。私も腹黒が同席してくれて助かりました。堅物や紳士は食べてばかりでしたからね。」

兄貴は笑顔になるとあの二人にもよろしくと言ってきた。マスターにこの後の宴会分も踏まえてお金を支払ってザイトリッツとゆかいな仲間たちは家路につく。

「ところでザイ坊。右腕はいい呼び名だけど、僕の呼び名が腹黒とは、少しひどくないかい?」

少し揶揄するようにコルネリアス兄上が話しかけてきた。

「兄上、その呼び方はあの場だけに限定するのがマナーですよ。私も本で読んだ程度で詳しくはわかりませんが、飲み屋街で始まる交友もあるそうです。お互い本名を名乗りあうと爵位や肩書を気にしてしまうので仲間内の呼び名を使うのです。」

「確かにその方が心置きなく楽しめるだろうね。」

「左様です。この交友が続けば堅物がとうとう結婚するそうだ。とはいえあいつは固すぎる。子供がグレなければいいが。とか、散々逃げ回っておったが腹黒の婚約が決まった。あやつもとうとう年貢の納め時だな。でしたり、右腕はザイ坊にいつも無理難題を押し付けられておる。一度ねぎらってやらねばなるまい。というような感じで、仲間内で会話を楽しむわけです。」

そんなことをワイワイ話している内に、ルントシュテット邸についた。
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