10話:兄貴の感想
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う。」
そういうと我先に玄関へむかった。こうしてザイトリッツとゆかいな仲間たちのお忍び第二弾が始まったわけだが、先に兄上にはしっかり説明しておかねば。
「兄上、お聞き及びかもしれませんが領地の方で新しいお酒を作ることができました。今回はいろいろとご助言いただいた方に実物を味わっていただくのでございますが、これから向かう先では本名を名乗りあうのは無粋とされている場です。お互い仲間内での呼び名で呼び合うのが粋とされる場ですのでそれだけはご了承ください。それ以外は特に難しいルールはございません。
あと、かなり料理が美味な場でもあります。ローベルト兄上は食べ過ぎて戻りましてからの晩餐を平らげるのに四苦八苦しておりました。兄上がどの程度お食べになれるのかは存じませんが、晩餐分はご自制ください。堅物という呼び名が出た際は、ローベルト兄上の事なのでお含みおきください。」
俺が矢継ぎ早に話すと、コルネリアス兄上は堅物ってなどとつぶやきながら笑いをこらえている。そんな話をしているうちにオーディンの飲み屋街が近づいてきた。連絡でもいっていたのだろうか、親分がご案内しますと言って道案内をし始めた。
そしてあの隠れ家Barに到着した。店に入ると、兄貴と叔父貴が奥のテーブル席にすでに居た。テーブル席に近づくと
「おお、ザイ坊。今日は違うお供のようじゃな。呼び名はどうすればよい?呼び名はお主が決めることになっておろう。」
と声をかけてきた。まあ、2人とも呼び名は決めてあるから問題ない。
「お待たせした様で申し訳ございません。後ろに控えておりますのは、大きい方が右腕、小さい方が腹黒でございます。」
さすがに腹黒は......。だの右腕とは我が家の誉!だの聞こえるがこの場はそういう場だから気にしないことにしよう。
「さようか。腹黒、右腕とやら、私は兄貴、横におるのが叔父貴じゃよろしく頼むぞ!」
一瞬マスターに視線を向けると注文は既にしてある心配はいらんと兄貴が答えた。ここはお任せしよう。一品目の料理が出てきたタイミングで兄貴と叔父貴のグラスに大吟醸酒を注ぐ。
「兄貴、俺はまだ酒が飲めないから何とも言えないけど関わった職人達の話ではかなりいい物ができたように思う。率直な感想を聞かせてもらえると助かるよ。」
「うむ。透き通っており見た目は水のようだが香りは芳醇。年代物の白ワインにも引けを取らんな。では一口。」
確かめるように舌で転がしながらグイっと大吟醸を兄貴たちが飲んだ。俺は黙って感想を待つが、兄貴と叔父貴は黙ったままだ。俺は黙ってカラになったグラスに大吟醸を注ぎなおした。兄貴たちはテーブルにあった料理を一口たべると、もう一度確かめるように大吟醸を飲んだ。そんなに長い時間ではなかったが判定を待つ俺にはかなり長
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