9話:大きな出会い
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くれていると思った。上客に見えただろうし次回もよろしくってトコだろうが士官候補生には少しお高い金額かもしれない。そしてメインの兄貴のツケだ。正直あっても10万帝国マルクだろうと思っていたが、親分が持ってきたのは56万帝国マルクの請求書だった。
兄貴、酒の知識もすごいけどツケの金額もすごいな。まあ、今後も相談できると思えば高い買い物ではない。ただこういう話は当人に聞こえないようにするのがマナーだ。俺は叔父貴と親分に声をかけて店の端に移動した。
「親分、本当にこの金額で大丈夫?結構待っただろうし、この金額だととりまとめも一苦労だったでしょう?。」
「いえ、楽しくお酒を飲まれる方ですし私どももついつい勧めてしまう状況でして、はい......。」親分も少し申し訳なさそうだ。
「では叔父貴、明日までに60万用立てますので、そのまま親分にお渡しいただけますか?親分にもお手数をおかけしたでしょうし。」
「そうじゃな。親分、心配をかけてすまぬ。明日にはツケを清算できよう。色々とかたじけない。」
「親分、私は年末にはまたこちらに来ると思います。あまり高額なのは困りますがそういうことでお願いできますか。」
親分は意図を察したのか頷いて場を離れて行った。あとは叔父貴の振込先の確認だ。これも念を押しておこう。
「叔父貴との事はこれからも叔父貴・ザイ坊の仲でいたいのですがお願いできますでしょうか。」
叔父貴は頷くと振込先を教えてくれた。宴会はお開きとなり、ザイトリッツとゆかいな仲間たちはルントシュテット邸に戻った。俺はフランツに叔父貴の振込先へ100万帝国マルク振り込むように指示をした。おそらく叔父貴もできるかぎり身銭を切っていただろうし手元にお金がある分には困ることはないだろう。
余談だが、その日の晩餐で我らが長兄ローベルトはあまり食が進んでいなかった。あれだけ食べればそうなるだろう。かくゆう俺はもちろん食べる量をセーブしていたからしっかり晩餐を楽しむことができた。裏切り者を見るような視線を感じたが気のせいだろう。
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