9話:大きな出会い
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。この店の料理は確かに旨い。堅物と紳士は料理に夢中になっている。
「兄貴、無粋な話になってしまうけど、酒造を始めるって事は話をしただろ?とはいえ、すでに評価が決まってるワインに手を出しても勝負は厳しいと考えているんだ。
そこで、今高価格なお酒についてワインに限らずなんで好まれてるのか、なんで高いのか?とかを教えて欲しいんだよ。せっかく作ったお酒が安く買いたたかれても面白くないしさ。お酒をこれから飲み始める仲間に教える感じでいろいろ話を聞ければ助かるんだけど......。」おれが切り出すと
「ザイ坊は甲斐性だけでなく商売の才能もあるようじゃ。よし!この兄貴が色々と指南してくれようぞ。」
と、色々とお酒の知識を話してくれた。ワインの知識だけでも兄貴はかなり凄かった。前世でいうソムリエとしても十分通用するんじゃないだろうか。あと、意外に話しの聞かせ方がうまい。料理に夢中だった堅物と紳士も、いつか飲んでみたい!などと兄貴の話に聞き入っているし、たまにあいまいな所があると叔父貴が自然な感じで補足してくれていた。
ってか上級貴族でも開けるのを戸惑うワインの話もチラホラ出てくるし、本に書いてある表現じゃないからほんとに飲んでるんだろうけど、この人何者なんだろ。
と兄貴の話に夢中になっていると、何人か酒場の主人っぽい人たちが入ってきて兄貴に声をかけてきた。
「少々ご相談があるのですが?」
代表者っぽい人が声をかけてきたが兄貴はバツが悪そうだ。俺が視線を兄貴に向けると
「いや、実は少しツケが溜まっておってな。催促されておるんじゃ。」
いい感じに場が盛り上がっていたし、ここで話が途切れるのも嫌だったので
「親分、ここの払いは私が持つし、兄貴のツケに関してはお愛想するまでに取りまとめてもらえないか?明日までに用立てて叔父貴に渡しておくよ。遅くても明後日までに、きっちりお支払いできるようにするからさ。」
俺がそういうと親分たちは安心した様だ。この店のマスターもサービスです!とか言って一品持ってきた。兄貴と叔父貴は少し困った様子で大丈夫か?とかいうからこれからも色々と相談に乗ってほしいとこちらからお願いした。
「実は兄貴。製法が失伝したお酒を造ってみようと思ってるんだ。早ければ年末にはできる予定なんだけど、兄貴にも飲んでもらって感想を聞きたいし、いい物だと思ったらどう売るかも相談したいんだけどお願いできるかな?」
兄貴は喜んで請け負ってくれた。それにしても士官学校ってまともな食事が出てないんだろうか。堅物と紳士はずっと食べてばかりだ。君たちのメシ代も俺の払いだということを忘れているのだろうか。まあ、付き合ってもらったし気にしないでおこう。
お愛想を頼むと、それなりの金額を求められたがおそらく少し安くして
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