8話:領地到着
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いがおばあ様は見てくれていた。
もともと顔見せがうまくいき機嫌がよかった上に、俺が手紙を丁寧に返信したことも影響したのか、まさに上機嫌だったわけだが、フレイア星系を出てシャンタウ星域へ高速航行に入ったあたりでそれはおきた。御用船のラウンジで、領地の資料やら農業に関しての資料を突き合わせていると
「ザイトリッツ、丁寧に手紙を返信してくれて感謝するわ。顔見せもうまくいきましたし、ご苦労でした。ところで、何を熱心に読んでいるのかしら?」
集中していたのでいつものカツカツ音が聞こえなかったらしい。すっと、隣に座り資料を覗き込んできた。
「戻ってからしてみたいことがあるとお話ししたでしょう?その為の資料です。領地の資料と最新の農業論文を付き合わせて初期投資をなるべく抑えて利益が出るように知恵を絞っていたのです。」
「そうなのね。少し考えていることを話してごらんなさい。」
「そうですね。色々なデータを突き合わせると我が領の収穫量は帝国領内では平均的ですが、叛乱軍のデータと比べると半分位という事になります。幸い、糧秣の優先納入権を得ましたから、ますは穀物の生産量をてこ上げします。とはいえ、増産分を全て買い取っていただけるか不明ですし、いつまで納入できるかもわかりません。
なので、余剰穀物をつかってビールなりウイスキーなりを作ります。ウイスキーは収益化までかなり時間がかかりますが、領民に振る舞うなり将来的には兄上たちの部下に贈答したりと、使い道には困らないはずです。あと、麦作に適していない地域で作られている稲という穀物を使って」
「そこまででいいわ。ザイトリッツ。色々と考えていることは分かりました。ただ、何をするにも費えが必要でしょう?」
少し意地悪な表情をしながら確認してきた。
「はい。年度末がこれからですので、予算の中で余った予備費からご用意いただけないかと考えておりました。その際はもう少し自分で現地を確認して、しっかり計画を作ってからおばあ様に相談するつもりでした。」
「そこまで考えているなら何も言うことは無いわ。私の持参金から10億帝国マルク用意してあげるからやってごらんなさい。」
はじめは聞き間違いかと思ったが10億マルクで間違いないらしい。前世感覚で1000億円近いけどポケットマネーでそんなに出せるの?詳しく聞くと、本来なら嫁入りした時点で持参金は嫁ぎ先の家の財産になるが、爺さまは軍人だったし戦死することや留守中に自由にできるお金がないと困るのではないかと持参金の名義はおばあ様のままにしていたらしい。
持参金と言っても現金ではなく、貴族限定の高利回り債券や帝国国債を持参するのがマナーとのことだ。ひとつ貴族のたしなみとやらを勉強できた。おばあ様は実質ルントシュテット伯爵領の共同経営者だ。特に
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