7話:長兄と次兄
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をしておこうと思ってな。」
「兄上も気苦労が絶えませんね。あまり気を使うと父上のように眉間の皺がまた深くなりますよ。士官学校の方も大変そうですね。」
少し茶化すような口調だが、表情は渋い。幼年学校も苦労が絶えないのだろう。
「幼年学校も大変そうだな。」
「ええ、ひどいものです。まあ士官学校も似たようなものでしょうが正直邪魔でしかありませんね。どうせ任官しないなら彼らだけの学校でも自分たちで造ればいい物を、踏みつける相手が欲しいのでしょう。」
そして優しい顔立ちだが、結構毒を吐く。
「今は我慢の時だ。何とか軍部への浸透を抑え込めている。父上もご苦労されているのだ。ザイトリッツも耐えてくれている。」
「兄上の実直さは美点だと思いますが、ザイトリッツはいつか報復するつもりだと思いますよ。僕が怒りを耐えるときにする笑顔と同じ感じがしましたから。おばあ様の養育が行き届いているとはいえかなり優秀です。自分と自分の乳母が誰に何をされたのか理解しているでしょうし。」
なんと。あの可愛げなザイトリッツまでもが腹黒だとは。
「僕ですら幼年学校に入る前に門閥貴族には悪印象を持っていました。両親が日々苦労しているのも、兄上がため息をついているのも見ていたわけですし。」
「うーむ。弟には弱い部分は見せたく無かったが隠しきれんかったか。」
私が落ち込むそぶりをするとすこし機嫌がよくなったようだ。
「まあ、悪い事ばかりではありません。僕たちの世代でまともな方を探すまでもなくより分けてくれるわけですから。おかげで良い友人を簡単に見つけることができますしね。
父上には言えませんが、僕は2個正規艦隊ぐらいを彼らにくれてやっても良いと思っています。どうせまともな訓練もできないでしょうし、補給整備も手を抜けるだけ抜くでしょう。所属した兵士たちは不幸かもしれませんが、そんな艦隊を前線には出せません。戦死がないという事で我慢してもらうのも良いのではとも考えています。まあそんな権限はありませんが。」
「コルネリアス。そういう毒舌は屋敷の中だけにしておくようにな。気持ちはわかるし、アイデアとしてもうまくできているが、さすがに貧乏くじを引かされる兵士が300万人近く出るのは容認してもらえまい。」
「分かっていますよ。半分は愚痴みたいなものです。父上たちの時代もこういうことは多少はあったでしょうが、共感していただけるのは兄上だけでしょう。さすがにこんな話を同期にするわけにもいきませんし。兄上の方こそ、吐き出したいものはないのですか?実直な兄の愚痴を聞くのも出来た弟の役目だと思いますが。」
「うーむ。士官学校でも似たようなものだが、さすがに貴族階級には強くは出てこないな。実力をわきまえているのだろうが。ただ平民や下級貴族
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