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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
6話:顔合わせと晩餐
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象があるし眉間の皺も深めだ。ただ歓迎はしてくれているのだろう。表情は柔らかい。
この後、初めての家族揃っての談笑が始まった。みんな意識したのだろう、交通事故の件は話題に出なかった。

父上は爺さまの逸話を話し、兄たちは士官学校や幼年学校での出来事を話してくれた。
はっきりしなかったが、兄たちも忙しいのだろう。こういう風に近況をお互いに話し合うのがとても楽しそうだった。

士官学校でも幼年学校でもやはり門閥貴族はわがまま放題な様だ。明言はしなかったが、爵位があるだけで試験に加点されたりすることもあるらしい。
だが、彼らの多くは実際に任官することはほぼ無いし、実際の評価で成績が下位になった場合、教官たちや成績上位者になにをするか分からない為、嫌がらせを防ぐ意味でも暗黙の了解になっているらしい。
もっとも兄たちは首席とはいかないが、実力で成績上位を保っているそうだ。

家族揃っての会話は思った以上に楽しい時間だった。その後、晩餐室に皆で移動して、コース料理っぽいものを食べながら、さらに会話を楽しんだ。テーブルマナーもバッチリだったのでまた驚かれた。少しやり過ぎたかもしれない。

晩餐が終わると父上と兄たちはシガールームに移動していった。俺はおばあ様と母上と一緒にお茶会だ。シガールームの方に参加できるかと思ったが、次兄が今回初めてシガールームに入るので、順序を守る意味で遠慮する事になった。
次兄コルネリアスが、そんなことは気にせず参加すればいい。頻繁に来れるわけではないのだからと言ってくれたのが嬉しかった。

お茶会といえば聞こえはいいが、ただの女子会だ。おばあ様に母上が愚痴ではないが色々と相談していた。
今更の話だが、俺を領地で養育する件もお願いしていた。正直、オーディンには悪い印象しかないし仮にこちらの屋敷に来たところで、父上も母上も俺に割く時間は無いだろう。
俺自身も、領地のほうが気が楽だし、今は金儲けというやりたいこともある。

母上は俺の養育に関われないことを寂しく思っている様だがこればかりはそうせざるを得ない状況なのだから気にする事は無いのだが。

おばあ様は終始ご機嫌だった。顔合わせもうまくいったし、しっかり養育していると示す事もできた。駆け足になるが明日領地に戻る予定だ。
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