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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
6話:顔合わせと晩餐
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ら。とはいえ、まずは今夜の晩餐会です。あなたはこの5年間ずっと領地におりました。本来なら両親や兄弟と一緒に養育されるのですが、いろいろな事情でこういう形になりました。緊張はしていませんか?」

おばあ様は心配げな視線を向けてくる。

「兄上たちがどんな方々なのかは気になっておりました。ローベルト兄上は士官学校、コルネリアス兄上は幼年学校にご在籍と聞きました。おそらく今後も年に数回会えるかという状況でしょう。しっかりご挨拶できればと思います。」

俺は伯爵号にはあまり興味はないし、三本の矢の話ではないが兄弟で争うこと程、無駄なことは無い。さすがに門閥貴族みたいな血と爵位だけが誇りみたいな人柄なら困るが、爺さまの薫陶もあっただろうしこの数年、門閥貴族の軍部への浸透を食い止めるのに四苦八苦していた両親をみているはずなので、それなりにまともに育っているだろう。

晩餐の用意が整ったとメイドが呼びに来たので、おばあ様と一緒に遊戯室に向かう。
今回は顔合わせがメインなので、それが済んでから晩餐になる予定だ。

遊戯室に入ると既に両親と兄達が揃っていた。俺のせいではないが、初めて家族揃っての年末年始が大事になったわけだし、先手を打っておこう。

「父上、母上、お久しぶりです。ローベルト兄上、コルネリアス兄上、初めまして。ザイトリッツでございます。この度はご心配をおかけしました今後ともよろしくお願いいたします。」

すると兄たちはびっくりしたようだが長兄ローベルトが近寄ってきて

「心配したぞ、ザイトリッツ。私がローベルトだ。ずっと会うのを楽しみにしていたのだ。よく来てくれた。」

としゃがんで目線を合わせて肩に触れながら答えた。

「5歳にしてはかなりしっかりしてますね。おばあ様、厳しくし過ぎなのでは?次兄のコルネリアスだ。ザイトリッツこちらこそよろしくね。」

と次兄は頭をなでてくれた。

ローベルトの印象は、体育会の熱血キャプテンと言えばいいだろうか。いま15歳で士官学校1年次のはずだが、年齢以上にがっしりした体つきをしている。言葉遣いもまっすぐで良くも悪くも剛の者って感じだ。おそらく爺さまの若いころはこんな感じだったのではないだろうか。

コルネリアスの印象は、生徒会長ってとこかな。12歳で幼年学校2年次。長兄に比べると線は細いが、言葉遣いも柔らかく、柔軟な印象を感じた。

「これこれ、兄弟仲がいいのは良いことだが、父をのけ者にするのは感心せんな。」

父、ニコラウスが会話に混ざってくる。爺さまは前線指揮官としてより後方支援に適性があると判断したらしいが、確かに軍人ってよりデキるビジネスマンって雰囲気を感じる。

ただ、この5年間かなり激務だったのだろう。今年40歳のはずだが年齢以上にくたびれている印
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