5話:決意
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で、残った食べ物や金を山分けにする。また闘う可能性はあるが、宴会で仲良くなれるかもしれないし、少なくとも食い物なり金なり欲しいものが手に入るから直近で闘う可能性は少ない。
そう考えると両国の対立をあおり続けるのも悪手ではないのだろう。相争うより、対立を煽っている豚を始末したほうがおいしいことを気づかせてはならないのだから。
当然だが、両国の国策決定に関わる層には今でも賄賂をばら撒いているはずだ。はした金で大金を稼げる可能性をごまかせるのだから投資としてこれほどうまい話もないだろう。
無能なくせに自分が有能だと勘違いしている連中ほど目先の金に飛びつくものだ。
どうせならフェザーンに生まれていれば好きなだけ自由に金儲け出来ただろうが、さすがにいまさらルントシュテット家を捨てることは出来ないだろう。
伯爵家3男としての記憶に引きずられているとは思いたくないがおばあ様には溺愛されているし、乳母のカミラも愛情を注いてくれた。乳兄弟のパトリックにも兄弟のような想いがあるし、領民たちも敬愛してくれていたように思う。
父上と母上はオーディンで忙しくしているらしく、会うことはほとんど無かったか、別に寂しいと感じることも無かったし、2人いるらしい兄たちはそもそも記憶がない。
前世は自分本位に生き過ぎたことが失敗だった。今回は少なくともルントシュテット家とその領民ができるだけ幸せになれるように金儲けしよう。
幸いにも3男だし伯爵家を継ぐわけでもない。また自分本位に金儲けするのも悪くないが、どうせ金儲けはできるのだ。なら、少しくらい縛りがあるほうがむしろやりがいを感じられるだろう。気を付けないといけないのは、金の卵を高みの見物をしている豚どもや血と爵位だけが取り柄の無能どもから守る手配もしなければならない事だ。
それさえできれば、問題なく金儲けはできるだろう。再建屋時代に関わった事でもすぐに出来そうなことがいくつかある。俺はワクワクしていたし領地に戻るのが楽しみだった。
おそらく舞い上がっていたのだろう。自分が守られる存在で、無力で、理不尽を押し付けられる側であることを翌日思い知ることになるのだから。
宇宙歴752年 帝国歴443年 1月6日夕刻 ヴァルハラ軍病院
ザイトリッツ・フォン・ルントシュテット
昨夜は遅くまで起きていたが、特に疲れを感じることもなく俺は入院2日目を過ごしていた。ご機嫌取りが功を奏したのか、ローザが用意してくれた食事は昨日の病院食めいたものからすこしまともなものに変わっていた。
大筋はつかめたつもりだが、再確認を含めて資料を読み直す。フランツには朝の時点で領内のさらに詳しい資料を集める様に指示を出した。細かい部分は確認しなければならないが腹案は固まりつつある。母上には申し訳ない
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