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戦闘携帯への模犯怪盗
STAGE3-1:スズ、裏々だらけの偶像少女
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ような殺風景で見渡しのいい空間と。その正面に立つ変身ヒーローのような赤い装甲をつけた、顔を見なくてもわかる見知った少女だった。

「ラディ……なんでここに?」
「怪盗……クルルク……」

 メレメレライダーとしてのヒーローとしての少し低い少年の声。だけど、昨日マズミに服の装飾を奪われたのを見られて泣いていた時と同じ声。
 思わず彼女に歩み寄ろうとする。普段の怪盗クルルクであれば、メレメレライダーとして振舞う彼女<<ヒーロー>>に不用意に近づくなどまずしない。だがそんな声を聞かされては、ともに暮らすものとして心配せずにはいられなかった。 

「ラディ、どうしたの? 君も何か用が……」
「オレと……オレと、戦え!この前の負けのリベンジだ!オレが買ったら、この前盗んだ『移ろいの靴』は返してもらう!!」

 彼女はモンスターボールを突き付ける。でも明らかに様子がおかしい。
 そもそも先にラディが来ているならなんでさっきスズは自分にあんな質問をした?

「待って、スズと何か話をしたの? なんで突然こんな場所で──!」
「うるさいっ!これはスズが決めたことなの!だから私は……オレは……ヒーローとして戦わなくちゃいけないんだ!ルールはウラウラの決闘ルール、4対4のダブルバトル!出てこい、グソクムシャ!ルカリオ!」
「待って、スズと話をさせて……」
「カッ!!」

 出てきたルカリオから彼女の心の波導が伝わってくる。壊れそうなものを必死に繋ぎとめようという決意。そして、今自分が本気で戦わないとそれが壊れてしまうことも……!

「なん、で……」
「ラァイ!!」
「……っ、どうしていきなり、こんなことに!頼むよライアー、テテフ!」
「……フゥ!!」

 ライチュウが自分に檄を飛ばし、戦闘態勢に入るクルルク。予告状にない新しい戦いが、始まろうとしていた。 
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