純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 7
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ります。お気が済むまでとことん扱き使ってくださいませ」とも言っていた。お前達がそうしたいと思うなら、好きなように命じろ。俺はその為に此処に留まれと指示を受けている」
れ……れぞにゃん、って……。
「一瞬、衝撃を通り越して頭真っ白の域に踏み込んじゃったけど、要するにお手伝い係なのね? 貴方は」
「鳥の到着を合図にフィレス達を連れて来るまでの間はな」
雑用係の身上を素直に首肯する元・魔王。
(……私達の戦いって、本当に、なんだったのかしらねぇ……アルフリード……)
「彼女が関わっている時点で心配無用と判ってはいましたが、ソレスタ達は無事にクロスツェル達と合流できたんですね」
アーレストさんも、この上無い呆れっぷりを披露しつつ、書状を袖の内側に仕舞い込む。
「今日の昼頃にな」
え。
「ソレスタさん達とは昼頃にエルフの里で合流して、それから皆で中央教会へ移動したってこと?」
「ああ」
「プリシラさんと顔を合わせたのも」
「その時だな。クロスツェルの記憶を通してなら何度か見ていたが」
嘘でしょ? 初の対面後たった数時間で形成されたの? この力関係。
「私達、産まれる時代を大きく間違えていた気がするわ」
「これも、お前達が残した成果の一つなんだろう」
勇者一行が命懸けで繋いだ現在だからこそ、数千年前には考えられなかった事も起きるんだ。
と、金糸で縁取られた目蓋が少しだけ下りて、丸い形の夕暮れ色を遮った。
「……そうね。プリシラさんから学ぶのも良いかも知れないわね。貴方の教育方法」
「やめてくれ」
あら。本気で嫌がってる?
どんな想像(回想?)をしたのか、徐に眉を寄せて苦々しく歪んでいく幼くも整った顔立ちが面白い。
「それより、良いのか? 礼拝堂がざわついているが」
礼拝堂? ……あ。
「! すみません、マリアさん! 説教の途中で抜け出して来てしまったので……っ」
「私は大丈夫。急いで戻ってあげて」
「……くれぐれも、お気を付けて!」
心配そうな目で私とレゾネクトを見比べるアーレストさんに軽く手を振り、浅く頭を下げて足早に去って行く背中を見送る。
「遠回しに釘を刺されたわね、レゾネクト」
「俺は言われた通りの行動を執るだけだ。お前は、俺に何をさせたい?」
無表情で不愛想な、子供姿のレゾネクト。
そうね。アーレストさんの心配は杞憂だわ。
私達の間にはもう何も起きないし、起こせないし、起こしようが無い。
だってこの子、さっきからずっと私には一定以上の距離を置いているもの。
プリシラさんが命令してくれたのかも知れないけど、多分、私が許可しない限りは袖先にすら触らないでしょう。私に植え付けた憎しみや怒りは勿論、恐怖や絶望なんかも掘
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