純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 7
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らの額を右手の指先で押さえるアーレストさん。
ついでにさらりと何度も呟かれてしまってるけど、やっぱりこの子は悪魔なのね。
「貴方のその姿も、プリシラさんの指示なの? レゾネクト」
「! 「レゾネクト」?」
「いや」
悪魔の名前に反応して顔を跳ね上げたアーレストさんから私へと視線を移し、首を振る。
「外見年齢を多少下に合わせておけば、お前に姿を見せても怒られないんじゃないかと思ったから」
「「「………………」」」
「……怒られたくなかった、の?」
「殺意や憎悪や嫌悪や拒絶には慣れているが、怒られるのはなんとなく怖い」
待って。
ちょっと待って頷かないで、元・魔王。
「貴方にその類の恐怖を感じる精神が有るとは思わなかったわ」
「俺も、プリシラおねえちゃまに怒られて知った。女は本気で怒らせないほうが良い。怒らせたら……削られる。なんか、いろいろ、削られる……。」
「中央教会で何をされたの貴方!?」
「言いたくない」
紫色の両目から生気が喪失。色白な顔や指先が更に色を失くし、直立したままぴるぴる震え出した。
あの、世界中でありとあらゆる生命に災厄を振り撒いていた悪魔の王レゾネクトが、女性一人の怒りを受けた程度で此処まで極端に怯えるなんて。
「プリシラさん……何者……?」
「悪い事は言わない。プリシラおねえちゃまを詮索するな。逆らうな。命や個としての尊厳を失うよりもっと辛い目に遭うぞ」
「逆に気になるわよ!」
命や尊厳を失う以上に辛いって、なに!? 本当に何をしたの、プリシラさん!?
「人間って……」
ああ、ほら! リースリンデまで思いっきり引いちゃったじゃない! アーレストさんも……なんか、とても大切にしてたものを手放す瞬間みたいな遠い目をして薄っすら笑ってる?
「……まぁ、彼女については一先ず置いておくとして。鳥を放った後でわざわざ寄越したという事は、貴方には伝書以外にもまだ何かしらの役目が割り振られているのですね?」
「ああ」
受け取った書状を丁寧に畳むアーレストさんに向き直ったレゾネクトが、ぎこちない動きで頷く。
「「本当はソレスタ神父とフィレスさんをそっちに連れてってもらおうかと思ったんだけど、ほら、今日って丁度百合根感謝の日じゃない? 二人には中央教会で百合根の下処理を含めていろいろお願いしたいのよね。こっちも総出で頑張ってはいるんだけど、まだまだ人手が足りないんですもの。でも、そっちも表に出られるのが一人だけじゃ大変でしょ? そ・こ・で! 変幻自在なレゾにゃんを譲ってあげるから、是非とも有効に活用してあげてね!」と」
「「「レゾ『にゃん』!!??」」」
「「特にマリア様。貴女にはレゾにゃんを自由にできる正当な権利があ
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