第一章
第7話 新生活
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ろしくおねがいします……」
「わーい、一度やってみたかったんだ」
何やねん。
朝食終了後、午前中は子供たちがそれぞれ学校か修行先に行く。
俺はそれがないので、院長からは自由に過ごしてよいと言われている。
この孤児院にいる間に発生する、自由な時間。
俺の場合、それは平日の午前中と、そして土曜日と日曜日だ。その時間をどう過ごすかは非常に重要になる。
考えた末、平日の午前中は図書館に行って資料探しをすることにした。
どんなものでもいいので、手がかりになりそうな資料を見つけたい。
そして、土曜日と日曜日については、仕事を探してみようと思っている。
理由はお金だ。
この先、この町にいるだけでは帰る手段がわからないと判断した場合、首都まで行くことも考えなければならない。
そうなると旅行をすることなるため、お金が必要となる。あればあるほどいい。
この孤児院にも、求人の掲示板はいちおうある。
しかしそれは、「卒業したらうちに来なさい」というような新卒採用の求人票がまれに貼られる程度で、アルバイトのような求人票が貼られることはまずないらしい。
よって、町の広場にある掲示板や町役場にある掲示板まで、定期的にチェックしに行くことにした。
もし自分にもできそうな仕事があれば、応募してみようと思う。
今日の午前中から、さっそく町の図書館に行った。
最初に職員へ挨拶をし、事情を説明した。
そしてもし、何か参考になりそうなものが偶然ひょっこり出てくるようであれば教えてください、とお願いした。
職員の人は快くわかりましたと言ってくれた。助かる。
その後も自力で調べものをしたが、特に戦果はなく引き上げた。
まあ、最初から何か資料が見つかるとは思っていない。
***
うーん……。
俺は子供に好かれるのだろうか。
お昼のおやつでも、昼寝でも、夕食でも俺の隣争奪戦は勃発した。
俺は別に、子供が好きでも何でもないのだが。
まあ、嫌われるよりはいいが。
なお、クロもかなり子供たちに好かれているようだ。
日中は庭にいたり、中をうろついたりしているが、休み時間は誰かしらがクロをなでなでしている。
クロはおとなしくなでられているので、決して嫌ではなさそうである。
実質一日目が終了。あとは寝るだけになった。
院長から指示があり、なぜか昨日の夜に泊まった部屋とは違う部屋になった。
昨日は三畳程度とおぼしき部屋だったが、この部屋は四畳半くらいで正方形だ。
ベッドは……二つ置いてある。
そのとき既に、嫌な予感しかしなかったわけだが。
「で、カイル。これはどういうことだ?」
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