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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
3話:母の憂鬱
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だそんな取り巻きに好きにさせているようではリヒャルト殿下が帝政を担うときは暗い時代になりそうね。」

私が意図を図りかねているとお義母様は言葉を続けた。

「あの人が良く言っていたわ。部下への暴力は絶対にダメだと。また一兵卒だろうが司令官だろうが公明正大に対しなければならないと。特に理不尽なことをされた方は、そのことを一生覚えているし隙があればやり返そうとするもの。
公明正大でなければ贔屓された者は増長してさらに何かを引き起こすわ。当然、そのお馬鹿さんは恨まれるだろうけどそれを放置した人間も当然恨まれる。邪険にされたものにも当然恨まれるでしょうね。一度何かがあった時にそういうモノは一気に噴出するもの。

聞いた時は怖いと思ったけど、横暴な士官はよく戦死するらしいの。敵の攻撃で戦死したのか、部下に恨まれてなのか分からないことが多いらしいわ。門閥貴族も今は気づいていないでしょうけど、今までは軍部と門閥貴族はあくまで中立だったけど、今では敵とまで言わなくても険悪な状態にあるわ。いつか報いを受けることになるでしょうね。」

「お義母様、そのようなことをあまり大きな声でおっしゃらないで下さいませ。ただ、あまり褒められたことではございませんがあの方々のわがまま放題にはいい加減うんざりしておりました。報いを受ける日が来て欲しいと私もつい思ってしまいます。」

「あらあら。私たちはいけない淑女ということねえ。ただ、ザイトリッツとカミラの事を思うと何も思わないとは嘘でも言えないわねえ。」

お義母様の予言にも驚いたが、てっきりお伝えしたらお怒りになるのではと思っていたので、正直ホッとした。

「カタリーナ。カミラの件は私からザイトリッツに話します。申し訳ないけど退院したら一緒に領地にもどるわ。配慮が必要でしょうけど、パトリックは乳兄弟。今更引き離すのも変でしょうし、カミラに報いる意味でも、もう少し手元においておきたいの。わがままを許してちょうだい。」

「はい。お義母様。正直なところザイトリッツに関してはお義母様にお任せしたままで心苦しいのですが、養育に割ける時間が乏しいのも事実です。お願いいたしますわ。」

お義母様も久しぶりのオーディンだ。
少しでもお寛ぎいただかなければ。

そういう意味ではお義母様も私に配慮して下さっているのだろう。笑顔にはなったが目は笑っていなかったもの。
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