暁 〜小説投稿サイト〜
稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
1話:目覚め
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イトリッツ、気分は如何?」

カツカツと足音を立てながら祖母がベットに近づく。人の気配と足音に反応したのか、ローゼ先生が目をさました。

「これはマリア様、ご無礼をいたしました。勤務後にザイトリッツ様のご様子を確認していたのですが」

「おばあ様、おはようございます。ローゼ先生が傍にいてくれたおかげか、安心して休むことができました。昨日はご心配頂いたにも関わらず、お礼も申し上げず申し訳ありません。」

視界の端でローゼ先生が恐縮する空気を感じる。

「あら、ザイトリッツ。レディーを気遣うのは貴族の男性の務めですが、5歳のあなたにはまだ早いわ。教えてもいないのにしっかり務めをはたせるとは。さすがレオンハルト様の生まれ変わりです。」

うっとりしながらこちらを見つめてくる祖母。
生まれ変わりの可能性はあるけどレオンハルトの生まれ変わりではない。まあ、そんなことを明言する必要はないだろう。

「マリア様じきじきにくれぐれもとのお言葉を頂きましたしご出産の際は私も立ち会いました。万全をと思い私自身で御傍におりましたが、お見苦しいところを申し訳ございません。」

どうやらローゼ先生は俺を取りあげてくれたらしい。

「むしろここまで尽くしてくれるのはありがたいわ。ローゼ、身分の違いはあるとはいえ、あなたはザイトリッツの母も同然です。自分の体調も顧みず、ザイトリッツの傍にいてくれたこと、決して忘れません。ザイトリッツ?あなたもローゼがあなたの命の危機に自らを省みず尽くしてくれたこと。くれぐれも忘れてはなりませんよ?」

「おばあ様、まだ頭がもやもやしておりますが、昨日に比べるとかなり回復しています。これもローゼ先生が付き添ってくれたおかげでしょう。もちろんこのザイトリッツ、三男ではありますが御恩はお返しするつもりです。」

「恐れ多いことでございます。私はルントシュテットのご支援を頂いて医療大学を卒業できました。御恩を思えば当然の事にございます。」

ローゼ先生が恐縮した様子で返答する。

「おばあ様、ローゼ先生は昨日わたしに付きっきりでした。おばあ様がいらっしゃった以上、ローゼ先生にはお休み頂いたほうがよろしいのでは?」

「そうね。ローゼ、ご苦労でした。今日はわたくしがザイトリッツの傍におります。さがって休みなさい。」

「しかしマリア様......。」

「しかしではないよ。ローゼ先生。私の為にも帝国臣民の為にも休むべき時に休んでくれ。ローゼのような美貌の持ち主がクマを浮かべて激務をこなしても周囲が落ち着かない。

私の主治医はローゼなのだろう。ならちゃんと体調にも万全を期してくれ。」

休もうとしないローゼにきちんと休めと伝えると

「あらあら、私やカタリーナは寝ずに心配していたのにロー
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