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稀代の投資家、帝国貴族の3男坊に転生
1話:目覚め
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のも話すのもまだキツイ。
一度うなずくと、目を閉じる。

目を閉じる前にドアの方に目線を向けると、6歳位の男の子が見えた。

初めて見るはずなのに彼がパトリックであることが分かった。
なぜだ?という疑問が浮かぶが、今は考えがまとまらない。

夢でも見ているのだろうか。
ザイトリッツと呼ばれることに違和感も納得感も感じる。

違和感の方を考えてみる。
そもそもこの身体は子供のようだ。はっきりしないがそこそこの年月、生きていた気がする。

祖母も母も、あんな貴族のような恰好をしていただろうか?いや、中流階級だったように思うし、なんとなくだがかなりの期間、教育機関に通った記憶もある。

はっきりしないが、日々値動きをするものを先読みして元手をつくり、その金で組織を買い取り再生して儲けた気もするし、子供がいたような気もする。

次に納得感の方を考えてみる。

不思議な話だが、やけに鬼気迫るモノを感じた年配の女性は祖母でマリア。若い方は母のカタリーナであるとなぜかわかる。

ニコラウスは父親だ。軍関連の仕事をしていたように思う。軍服を着ている印象がなぜかある。

そしてパトリック。
そう、彼は乳兄弟だったはずだ。

でもそうなると......。

乳母のカミラはなぜ顔を出さないのだろう。祖母マリアと母カタリーナがいるのに彼女が顔を出さないのはおかしい。

一瞬しか見えなかったパトリックの表情。泣いていたように思う。

他にも、祖父レオンハルトが反乱軍の名将との戦争で戦死したこと。
参戦した多くの帝国軍人が戦死したため、父は本来伯爵家を継ぐはずが軍を退役できずにいること。

生まれたのがレオンハルトが戦死した年であるため、祖母が私をレオンハルトの生まれ変わりと思い込み、溺愛していることもなぜかわかる。

色々なことが頭を駆け巡るが、なぜかパトリックの泣き顔と、カミラが顔を見せないことが気にかかる。

だが、そこで限界だった。
意識がはっきりしない中で思考したせいか、もう眠気にあがなうことができない。

私は意識を手放した。


翌朝、人の気配を感じながら目を覚ます。
目線を左に向けるとローゼ先生が目に入る。

よく見ると目の下にクマがうっすらとだが見える。夜勤明けなのだろうか、初めて見たとき感じたキリっとした印象はうすれている。メイクが乱れているからか。それともイスに腰かけたままうつらうつらしている......。無防備な状態を見たからだろうか?

窓からは日の光が差し込んでいる。
光量からすると、早朝ではないが、お昼でもないように感じる。

ローゼ先生に声をかけるべきか悩んでいるうちに、人の気配が近づいてくる。スッとドアが開くと、祖母のマリアが見えた。

「ザ
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