1話:目覚め
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宇宙歴752年 帝国歴443年 オーディン軍病院
ザイトリッツ・フォン・ルントシュテット
ふと目を目をあけると、白い天井が見える。
ここはどこだろう......。
そんな事を考えながら周りを見渡すと、腕には点滴がされ、定期的に機械音が聞こえる。
なにやら頭に巻かれている感じがする。
手足を動かしてみるが、特に問題はなさそうだ。
視線を右に向けると窓が見える。
オレンジがかった陽光が目に入る。どうやら夕方らしい。
落ち着いて現状を把握しようとするが、頭がボーっとして思考を進めることができない。どうしたものかと思っていると突然ドアが開いた。
「お気づきになりましたか。また安静が必要です。そのままお休み下さい。ご家族をお呼びしてまいります。」
30歳位の女性医師が、ゆっくりと話しかけてきた。欧米系のキリっとした顔立ちだがやけに身長が大きい。そのまま女性医師は部屋を出て行った。
しばらくすると勢いよくドアが開く。
「ザイトリッツ、目覚めたのですね!!」
部屋に入ってきたのは30歳と50歳位の女性。やけにクラシックなスタイルのドレスを着ている。病院という場には合わないな......。などと考えていると、先ほどの女性医師も部屋に入ってきた。
「マリア様、カタリーナ様。ザイトリッツ様はまだ覚醒されたばかりです。安静にする必要がございますので、お静かに願います。」
「ごめんなさいね。久しぶりにヴァルハラに出てきたザイトリッツにこんなことがあって。わたくしたちも万一のことがあったらと不安でいたものですから。」年配の女性が答える。
「覚醒はされましたが、お話などをされるにはもう数日安静にされてからがよろしいと存じます。万が一の状況はもう御心配には及びません。一度、お屋敷に戻られ、お休みになられてください。ザイトリッツ様もそれをお望みになると存じます。」と女性医師が言うと
「お義母様、ローゼの言う通りですわ。峠は越えましたしニクラウス様にもお伝えせねば。一度戻りましょう。」
「そうね。ザイトリッツ、本当に心配したのよ。ローゼの言うことを聞いて安静にしていなさい。またすぐ参りますからね。」
何やら話が勝手に進むが、年配の女性から鬼気迫るモノを感じ、思わずうなずいてしまった。
「ではローゼ、くれくれもザイトリッツをお願いね。」
と言い残すと、クラシックなドレスの二人組は部屋から出て行った。ドアをみると数名従者やメイドのような恰好をした者が見える。
「ザイトリッツ様。」
ローゼと呼ばれた女性医師が話しかけてくる。
「ザイトリッツ様は交通事故にあわれました。また意識がはっきりしないと存じますが、安静にしていれば回復いたします。今はお休み下さい。」
考える
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