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おぢばにおかえり
第四十六話 受験が終わってその四

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「だからこれからも勇んでね」
「そうさせてもらいますね」
「ただね」
 阿波野君にこうも言いました、どうかというお顔で。
「私のことはいいから」
「またそう言われます?」
「だって自分の為にお願いされたら悪いから」
 こう思うからです。
「いいわよ」
「何か先輩って遠慮がちですね」
「遠慮がちっていうか」
 私はどうかというお顔で阿波野君に言葉を返しました。
「今言ったけれど悪いって思うから」
「だから自分で、ですか」
「そう、合格するから」
「そう思われるからですか」
「別にいいわ。とにかくね」
 阿波野君にあらためて言いました。
「私のことはいいから」
「まあそう言われないで。僕がしたくてしますから」
 だからと言う阿波野君でした。
「悪いとか思わずに」
「そうなの」
「はい、そこはお願いしますね」
「そこまで言うのならね」
 私にしてもでした。
「それじゃあ」
「はい、今日そうしてきますね」
「私も阿波野君が受験の時は。天理大学受けるつもりよね」
「そのつもりです」
「じゃあその時はね」
 こう阿波野君に答えました。
「お願いさせてもらうわね」
「宜しくお願いします、二年後ですね」
「そうね、まだまだ先だけれど」
 二年というとです、もう相当なものです。とはいっても歳月が止まることはなくその二年後も絶対にきますけれど。
「そうさせてもらうわね」
「宜しくです」
「絶対にね。ただ問題は成績だけれど」
「そっちも頑張ってますから」
 私ににこりと笑って答えてきました、二人で見ている新聞のニュースは結構物騒なものが多いです。
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