暁 〜小説投稿サイト〜
こんなチートでもありですかい?そうですかい。
第22話。変人と『錬金』術師。
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
味はよくわからないが、ナチュラルに会話をしていることに、戸惑いの表情を浮かべながら会話をするシオン。

「ところでの、ここに死徒二十七祖?いるやろ。」
「・・・・」
「手伝わせてくれんかの?二十七祖殺し。」

シオンにはその少年が何者なのか、計り知れなかった。





side シオン・エルトナム・アトラシア



二人は晋吾による先導で二十七祖の元に向かう。何故かは知らないが、この少年はどこにいるかが分かる様子。

はっきりした足取りがそれを証明しているようであった。

シオンは晋吾との会話をしながら時々出てくるグールを蹴散らしつつ、彼女の持つ分割思考の一つを使い、この少年について考えていた。

話をしていくつか入った情報は日本人であること。旅行でここローマに来て、散歩がてら、死徒の匂いがしたので潰しに来たと言っている。

散歩がてらとか、死徒の匂いなどと言っている時点で普通ではないコトは容易に分かるが、一番不可思議であるのは・・この『空気』だ。

初対面でなおかつ、二十七祖に列ねる死徒がいるであろう屋敷に侵入している状況にも関わらず、こうもリラックスが『できる』こと。

この少年が来てからのこの『安心感』。魔術を使っているようには感じられない。異能か何かか?

こっそりとエーテライトを用意することを決意する。会話の中で視線を使い、前方に注意を向かせた隙に脳の『ハッキング』を試みる。





見えてくる。

煌々と光る星々。無限に広がる宇宙そら。金色の髪をした少女。その後ろにいる銀髪の男性。白い世界。

そこは何もかも、自分でさえ白く――――





SIDE OUT



「ねーちゃん。おーいねーちゃーん。」

いきなりボーっとし始めたシオンさんのほほをぺちぺちとはたく。

「なんやー。いきなりどないし・・・・なんやこれ?」

なんかシオンさんから俺の頭に伸びていた細い糸を取る。

「ハッ!」
「おっ。気づきよったわ。」

・・・・これはあかんわ。エーテライト使われてたお。やべぇ超焦るわー。

幼女神と会った時のうん十倍焦るわー。

これは高校の時に、青い扉で青い壁のトイレに入って行ったら女子トイレだったときと同じぐらいの焦り具合だな。

「いきなりどうしたん?大丈夫かい?」
「いえ、大丈夫です。・・・・少し気が抜けたみたいです。」

極力冷静さを保とうとしているようだけど、戸惑いの様子を隠せないシオンさん。マジで何を見た?

ぐあー、しかし俺に気づかれないようにエーテライト使うとは流石過ぎる。悔しいが、何とか話題を変えて空気を濁すしかない。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ