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ドリトル先生と奇麗な薔薇園
第十二幕その三

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「確かにあんまりな三連戦だったけれど」
「ネットじゃ散々言われてるにしても」
「それでもね」
「過ぎたことは忘れて」
「気持ちを切り替えて」
「そうしないとね、まだペナントは続くんだし」
 それでというのです。
「三連戦の敗北に気を取られずには」
「反省するところは反省して」
「そうしてあらためていってね」
「また次の試合に挑む」
「そうしていけばいいわね」
「そういうことだよ、さてお昼を食べたら」
 それからのこともお話する先生でした。
「少し時間があるけれどね」
「よし、じゃあ薔薇園よ」
「薔薇園行きましょう」
「今日もね」
「そうしましょう」
 皆先生にこぞって言いました。
「それで楽しみましょう」
「薔薇園をね」
「先生のお心の薔薇が何かを確かめる為に」
「是非ね」
「あそこに行きましょう」
 こう言うのでした。
「そうしましょう」
「それでいいわよね、先生も」
「食後の運動も兼ねて」
「あちらに行きましょう」
「そうだね、何処に行こうかって思っていたけれど」
 皆がそう言ってくれるならとです、先生は応えました。
「それじゃあね」
「うん、薔薇園にしよう」
「植物園の中のね」
「あそこに行きましょう」
「そうしようね」
 皆は口々に言って先生を薔薇園に行こうと言ってです、食べ終わってトレイを洗い場に持って行くとすぐにでした。
 皆で植物園の薔薇園に向かいました、そして薔薇園に行くとです。
 薔薇達は今日も満開でした、先生よりも動物の皆がその薔薇達を観てそのうえでうっとりとして言いました。
「いいね」
「そうだよね」
「やっぱりここの薔薇はいいね」
「色々な薔薇があってね」
「どの薔薇も奇麗で」
「最高の場所だよね」
「そしてどの薔薇か」
 皆それぞれの薔薇達を観ながらさらにお話をしました。
「先生の心の中にある薔薇は」
「一体どれかしら」
「この目で観てね」
「そうして確かめようね」
 皆の方が真剣になって薔薇達を観るのでした。先生はむしろ静かです。
 そうして薔薇園の中を歩き回って観ますと。
「赤?どうもね」
「情熱の赤はね」
「先生の学問への情熱?」
「それはあるけれど」
「先生が燃える性格かっていうと」
 そうした気質が先生にあるかといいますと。
「ちょっと違うわね」
「うん、どうもね」
「燃える様なものはないわね」
「暖かくはあってもね」
「そうした赤はあるね」
 先生の赤はというのです、そして今度は白薔薇を観ました。
「奇麗なお心ね」
「清純ね」
「先生は確かに清らかね」
「公平な紳士だし」
「とても確かな心の人だから」
「白もあるかも」
 この薔薇もあるのではというのです、そして。
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