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空に星が輝く様に
67部分:第六話 次第にその五
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第六話 次第にその五

「うわ、やっぱり違うわよね」
「太刀筋が全然違うっていうか」
「鋭い」
 道場で木刀で居合の稽古をする月美を見たうえでの周りの言葉だ。
「しかも奇麗よね」
「もうすっとした感じで」
「確か中学校の時もやってたのよね」
「はい」
 月美は同級生の言葉に対して答えた。今はその木刀を左手に持ち替えている。そのうえでの言葉だった。袴姿が実によく似合っている。
「そうですけれど」
「二段だったっけ、確か」
「段も持ってるのよね」
「そうですけれど」
 聞かれたままそのまま答える。
「けれどそれは」
「他にも弓道もしてるのよね」
「そうよね」
「はい、そうです」
 その問いにも答える。
「ただ。今はこちらが主ですけれど」
「そう、居合がなのね」
「居合部にとってはそれがいいけれど」
「それにしても。やっぱり違うわよね」
 また彼女の居合の話になる。
「その太刀筋も姿勢も」
「剣道のそれとはまた違ってね」
「もう本当に真剣持ってる感じで」
 月美は部活では評判になっていた。それは決して悪くないものである。そして同じ道場の剣道部の面々も彼女を見る。その中で女子部員達が言うのだった。
「また皆で西堀さんのこと言ってるのね」
「確かにね。居合二段だからね」
「殆どの部員が初心者で一人だけだしね」
「違うわよね」
「けれど」
 ここで女子部員の一人が言う。
「あの娘クラスじゃ結構苦しい立場みたいよ」
「苦しいって?」
「どういう風に?」
「何かきつくあたる女の子達がいるみたいなのよ」
 このことが話されるのだった。
「何かね」
「ええと、それがわかる娘って」
「いないわね、剣道部」
「四組の娘いないからね」
「どうしてもね」
 だからわからないのだった。部活でもクラスが関係するのは学校生活では何処でも同じであるがこの八条学園でもそうなのである。
「けれど何でだろうね」
「いい娘なのにね」
「そうよね」
 居合部だけでなく剣道部でも月美の評判は悪いものではなかった。
「大人しいし優しいしね」
「言葉遣いだって丁寧だしね」
「意地悪とか全然しないし」
 そういうことは確かに月美には全くなかった。これは間違いなかった。
「あんないい娘いるんだって思うけれど」
「どうしてなんだろう」
 こうした話がされていた。そしてそれはすぐに椎名の耳にも入った。彼女は居合部の面々が屋上で昼食の後くつろぎながらまたこの話をしているのを聞き逃さなかったのである。
「四組も色々あるみたいね」
「そうね」
「待って」
 すぐにその彼女達に声をかけた。
「それってつき・・・・・・いえ西堀さんのこと?」
「あれっ、確か三組の」
「クラス委員の」10
「椎名」
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