第十二幕その六
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「そうだね」
「はい、そうです。ただ」
「どういったお魚でお料理かはだね」
「まだ言えないです」
「ではここはだね」
「楽しみにしてです」
ナターシャは市長さんに笑顔で言いました。
「待っていましょう」
「ではね」
「はい、待っていましょう」
「そうさせてもらうよ」
市長さんも他の犬の人達もです、皆で。
今はお喋りをして匂いを楽しみにしながらお料理が出来るのを待っていました。そうしてやがてです。
皆が来てです、そしてでした。
遂に出てきました、そのお料理が。
犬の国の人はそのお料理を見て皆これはというお顔になって言いました。
「あれっ、このお魚は」
「そうだね、河豚だね」
「へえ、河豚なんだ」
「河豚は食べられるんだね」
「そうよ、河豚は食べられるのよ」
オズマが犬の国の人達にお話します。
「それも凄く美味しいの」
「確かに。この匂いは」
犬の国の市長さんも言います。
「美味しい匂いです」
「そうよね」
「ではこの河豚のお料理は」
「とても美味しいわ」
実際にというのです。
「だから皆で食べましょう」
「わかりました、しかし」
ここで出されているお料理をです、犬の国の市長さんは見回して言いました。
「色々なお料理がありますね」
「ええ、河豚で美味しいと思うお料理を全部出したの」
「そうでしたか」
「どうかしら」
「はい、見事です」
見ただけでと言う市長さんでした、見ればお刺身にお鍋、唐揚げに天婦羅にぽん酢あえにカルパッチョ、フライにアクアパッツァ、ムニエルに揚げてあんをかけたものにと色々なお料理があります。しかもです。
そのお料理ごとに合う香辛料が使われて用意されています、犬の国の人達は香辛料のその香りも嗅いで言うのでした。
「ううん、この香りは」
「いいね」
「凄くいいよ」
「何ていい香りなんだ」
「とても美味しそうな香りだよ」
「この香辛料達であの料理を食べたら」
「うん、どれだけ美味しいだろうね」
こう口々にお話をするのでした、そしてです。
その犬の国の人達にです、オズマは再び言いました。
「では今からね」
「はい、皆でですね」
「この河豚料理を食べるんですね」
「それぞれの香辛料と一緒に」
「そうするんですね」
「ええ、そうしましょう」
こう笑顔で言ってでした、そのうえで。
皆で河豚料理を食べるのでした、その様々なお料理を。
そしてです、お刺身を山葵醤油で食べたりお鍋を生姜や紅葉おろしを入れたぽん酢で食べました。胡椒や香草で味付けされたムニエルや大蒜を使ったアクアパッツァもです。勿論お寿司もあります。
するとです、犬の国の人達ばびっくりして言いました。
「うん、これはね」
「凄く美味しいね」
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