機動戦士ガンダム
2159話
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楽しんでいた俺達だったが……不意に、俺はラピスが拾ってきた貝殻を受け取ろうとした手を止め、とある方向に視線を向ける。
そんな俺の行動から数秒遅れ、円と美砂の2人も俺と同じ方に視線を向ける。
そちらから漂ってくる殺意……いや、敵意か? その感情に気が付いたのだろう。
そんな俺達の視線に気が付いたという訳でもないだろうが、10人近い男の集団が、こちらに近づいてくる。
手に拳銃やらサブマシンガンやらといった武器を持っているのを見れば、まさか俺達と同じく海水浴を楽しみに来た旅行客……という可能性は、まずないだろう。
「円」
「ええ」
俺の一言だけで、円はすぐに動いてルリとラピスの近くに移動する。
この辺りの以心伝心は、お互いに気持ちが通じ合っているからこそだろう。……毎晩の行為が影響している可能性も否定は出来ないが。
まさか、円と美砂がやって来た理由が発揮されるとは思わなかった。
正直なところ、その辺はあくまでも名目で、円と美砂には海でゆっくりと遊んで貰う……というのが、俺の予定だったのだが。
「で? お前達は何だ? まさか、そんな物騒な物を持って、海水浴って訳でもないだろ?」
俺の言葉に、散弾銃を持った男がこちらを睨み付けてくる。
「お前達が、あのルナ・ジオンとかいう連中の仲間だってのは分かってるんだ。悪いが、人質になって貰うぞ」
「……へぇ」
少しだけ驚く。
つまり、この連中はジオン公国のシンパか何かで、このハワイがルナ・ジオンの手に渡るのを面白くないと思って行動を起こした訳か。
俺達を人質にし、それで譲歩を迫ると。
誰がこの連中に俺達の情報を流したのかというのは、それこそ考えるまでもなく明らかだろう。
現在このハワイを占領しているジオン公国の人間だと思われる。
ただの嫌がらせか、本当に俺達を人質にすればどうにかなると思ったのか……その辺りの理由は分からないが、それでも分かるのは、馬鹿な真似をしたという事だけだ。
今回のハワイのルナ・ジオンへの譲渡というのは、ジオン公国の……そして、ザビ家の決定だ。
それを面白く思わないからといって、このような真似をしたらどうなるか。
それは、ザビ家が苦心して纏めたこの交渉が破綻するという事になる。
俺が知っている……正確にはきちんと話した事があるザビ家の人物はキシリアだけだが、そのキシリアがこのような馬鹿な真似を……それこそ、自分の努力の結果を消滅させ、ジオン公国を破滅に導きかねないような真似をするとは、到底思えなかった。
つまり、大局的に物事を見られないジオン公国の人間の暴走。……もしくは、ルナ・ジオンとジオン公国の関係が良好になられては困る連邦の策略というのもあるか?
一応まだハワイの譲渡というのは、公表さ
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