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勇者のメイド
思惑
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させながら言った。

「愛する国王様が期待してくれている」それだけでロッテは「死んでも良い」ほど幸せだった。

それなのにカオルにまだ「あなた一人に任せておけない」と言えずにいた。

カオルがメイドとして優秀すぎるのだ。

国王様付きのメイドの中で二人は戦闘メイドだ。

国王様を暗殺から守るために存在し、実際に何人もの暗殺者を葬ってきた。

実質国王様の身の周りの世話をする一般メイドはロッテとその部下メイジとゴディバしかいない。

しかし国王様付きのメイド達五人は国王様にたらしこまれていた。

五人が五人とも「国王様のためなら自分の命なんてどうなっても構わない」と思っていた。

メイドとしてカオルがいくら優秀でも、性的な事は未経験でそこにいくらでも「カオル一人には任せておけない」という場面があるだろう、とロッテは思った。

勇者様は元女性だという。

性技に長けた者であれば、性に不慣れな英雄くらい骨抜きに出来るだろう。

異世界でも女の地位が低いわりに『傾国の美女』や『美女による傀儡』という考え方はあるらしい。

鄒氏や貂蝉やクレオパトラが生まれた時代に女性の地位が高い訳ではなかったのだ。

国王様付きのメイドであるゴディバは性技は国王様に仕込まれたものだったが「国王様以外の殿方に触られるくらいなら舌を噛んで死ぬ」というロッテと異なり「国王様が望むなら別の殿方にも抱かれる」という考えの持ち主だった。

この二人が同じように国王様の事を溺愛していて「国王様に『死ね』と言われれば喜んで死ぬ」というのだから、愛の形は本当に様々だ。

「ホラ、カオル?

勇者様の訓練でついた汗と泥を早く洗い流して差し上げなさい。

勇者様のお召し物を脱がして差し上げて?」ロッテさんは私を急かす。

男の服を脱がすのは特に照れはないはずだが、勇者様の服を脱がすと思うと妙に緊張してしまう。

下着まで脱がして私は固まった。

確かに男性になった勇者様は185センチほどの長身だった。

しかし長身といっても日本では「背は確かに高いけど、珍しいほど背は高くはないよね」という背の高さだ。

しかし、中世程度の文明レベルで栄養状況である異世界では勇者の185センチは巨人であった。

対して私は130センチにようやく届いている身長で江戸時代の女性の平均身長より遥かに低く、異世界でも低身長な方だった。

しかし勇者様の肉体は全てが男性時代の自分とは作りが違った。

身長だけでなく、引き締まって
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