二十匹め
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り上げるまでどれくらいだ?」
「んー…一分くらい?」
一分、とボーデンは呟く。
「お前の魔力ランクは?」
「C」
「そうか…」
Cランクはエルフなどを除く人型種族では高い方である。
「メリー。寝ているシラヌイには余り触るな。
色々持っていかれるぞ」
「いろいろ?」
「魔力、精神力、生命力…まぁ、色々だ」
魔力は余剰生命力に過ぎない。
であるならば魔力を吸い尽くされればその次は生命力を奪われるという理屈だ。
「自分はもふもふしてるのに…」
「アタシはいいんだよ。少なくともお前の十倍はあるから」
「よのふじょーり…」
魔力ランクC以上は10の乗数で増える。
ランクBのボーデンは『少なくとも』メリーの十倍は魔力があるのだ。
なおシラヌイの魔力ランクは未測定だ。
ステータスプレートに記載されていないのがその証拠だ。
なぜならステータスプレートには魔力ランクの測定結果を記載する義務があるからだ。
ボーデンがシラヌイを包んでから暫くすると、センマリカが戻ってきた。
「よう。早かったなセンマリカ」
「城からとんぼ返りよ。ところで、どうしてシラヌイさんは獣化しているの?」
「獣化はコイツが気を回した結果だ。
流石に女児を能動的に触るのはどうかと思ったんだろうな」
「ああ…それで…」
「で、アタシのローブでくるんでるのは、コイツのパッシブスキルのせいだ。
エナジードレイン。Cランクの魔力を一分で吸い尽くす強力なスキルだ」
「あらあら、じゃぁウチの子が眠そうなのはそのせい?」
「ああ、アタシが気付かなかったらヤバかったぜ」
「ふーん」
「軽いな…」
「タマモ様から聞いてたわ」
「何て言ってた?」
「『シラヌイなら直ぐにでも制御を覚えるじゃろう』だそうよ」
「だろうな」
センマリカがメリーを抱き上げる。
「あー…もふもふ……」
「大丈夫よ。また今度シラヌイさんの家には行くから」
「うー…わかった…。じゃーね、ぬいちゃん」
「きゅー……」
ねぼけまなこで挨拶をするシラヌイ。
一声鳴くと再び眠り始めた。
「じゃぁ、アタシらも帰るか…」
ボーデンはローブに包まれたシラヌイを抱き上げ、広場を後にした。
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