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子豚のロビンソンのお話U
第二章

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 音が出ません、それでロビンソンは思わず言いました。
「あれっ、何かね」
「音出ないよね」
「おかしいな」
 コード達を弾いてもです、音が出ません。それで言うのでした。
「音が出ないよ」
「弾き方がおかしいんじゃないかな」
「どうしたのかな」
「弾けるって言ったのに」
「お父さんはこうして弾いていたのに」
 そうして音を出していたというのです。
「おかしいな」
「ううん、だったらね」
 その状況を見て言うピーターでした。
「もうギターなくていいから」
「歌だけでなんだ」
「それでいいじゃない」
 こうロビンソンに言うのでした。
「音が出ないならね」
「それならだね」
「そうしようよ」
「弾ける筈なのに」
 ロビンソンはギターを手にして項垂れました、首にかけていますが重みだけが伝わってきます。
「どうしたのかな」
「まあそれでもね」
「今からなんだ」
「うん、歌おうね」
「それじゃあ」
 ロビンソンはギターを置いてでした、ピーターの誘いに乗って皆で歌いました。そしてパーティ―が終わってから晩御飯の時にお仕事から帰って来たお父さんにギターのことを言うとすぐにこう言われました。
「ギターにはちゃんとした弾き方があるんだよ」
「僕お父さんがしていた通りにしたのに」
「蹄の使い方があるんだよ」
「蹄の?」
「豚の蹄のな」
 それがあるというのです。
「それを食べてから教えようか」
「あっ、教えてくれるの?」
「ギター弾きたいんだろ」
 お父さんはロビンソンに晩御飯を食べつつ尋ねました。
「だから弾こうとしたんだろう」
「うん、お父さんみたいにね」
「だったら教えてやる、御飯を食べた後でな」
「お父さんのギターは絶品だからね」
 お母さんも言ってきました。
「教えてもらったらロビンソンもいい音を弾けるわよ」
「うん、じゃあ教えてね」
 ロビンソンはお母さんの言葉も聞きながらお父さんにお願いしました、そして実際に御飯の後でお父さんにギターの弾き方を優しく教えてもらって弾ける様になりました。それで次のパーティーでは無事にギターを弾けて歌えました。


子豚のロビンソンのお話U   完


                  2018・6・3
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