62部分:第五話 部活でその十一
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じられないな」
「御伽草子は暗い作品ではないですよね」
「明るいっていうか」
問われるまま話す。
「あれだよな。説明が多いというか」
「太宰の解釈がかなり入ってますよね」
「太宰版御伽草子か!?」
陽太郎はこう表現した。
「つまりは」
「はい、そうです」
月美の言葉はさらに明るくなった。弾んでさえいる。
「太宰の御伽草子なんですよ、あれは」
「そうか、太宰のか」
「新ハムレットも同じで」
「太宰のハムレットなんだな」
「そうです。ですから」
こう話していくのだった。
「太宰の御伽草子を楽しんで下さい」
「そうさせてもらうよ。それでさ」
「はい、それで」
「太宰の作品他にもいいのあるよな」
このことを尋ねるのだった。
「あの作品の他にも」
「もうあり過ぎて困る位です」
「そんなになんだ」
「太宰に駄作はないですから」
見れば表情もだった。目がにこにことして弾んだものになっている。
「ですから」
「駄作なしなんだ」
「モーツァルトと太宰にそれはありません」
今度は天才音楽家の名前も出て来た。
「これは本当です」
「わかったよ」
陽太郎は月美のその真剣な言葉に微笑みで返した。
「じゃあこれからも」
「読んでくれるんですね、太宰」
「そうさせてもらうよ」
二人は太宰の話で盛り上がり深くなっていった。二人はまずは自然な付き合いからはじめていった。それは星華の気付くものではなかった。
第五話 完
2010・3・28
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