暁 〜小説投稿サイト〜
戦闘携帯への模犯怪盗
STAGE2-2:アローラ、日差しが今日も強いね
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も聞こえないほど小さく呟いた。

「そういうところはあの人譲り、か……」
「さあ、次のポケモンは何で来る? あんまり遅いとライアーで逃げちゃうよ」
「そうだな……なら出てこい、アバゴーラ!」

 リュウヤの出した二体目、化石からよみがえった亀のようなポケモン・アバゴーラは登場と同時に唸り声をあげる。そして自身の体に大きく力を込めると、殻が軋み始めた。

「これは……!ヴァネッサ、『うたかたのアリア』!」
「ゴゴゴゴ……アアアアアアアッ!!」

 アシレーヌの放つ泡がアバゴーラに直撃し、殻にどんどん罅が入っていく。まるで戒めの鎖を解き放つように殻が破壊される。瞬時にリュウヤの命令が飛んだ。

「アバゴーラ、『ストーンエッジ』」
「ゴアア!!」

 アバゴーラは自身の粉砕された殻を鷲掴み、アシレーヌにぶん投げる。最高速度のピッチングマシーンが放ったような重さと速さはよける暇もなくアシレーヌの胸へ打ち込まれた。アシレーヌが胸を押さえ、歌声が止まる。張り手で胸をどつかれたようなものだ。とても歌えない。

「これでイーブンだ、『アクアジェット』」
「下がってヴァネッサ、来てテテフ!」

 今度は自ら水の噴射で肉薄するアバゴーラを、クルルクは即座にポケモンチェンジで躱す。『サイコメイカー』の特性を持ちフィールドに出た瞬間先制技の発動を許さないテテフがアシレーヌを守るように立ちはだかった。

「先制技を封じるフィールドは厄介だが……『殻を破る』の効果により速度が倍加したアバゴーラなら速さで負けることはない。『アイアンヘッド』!」
「だけど、一撃でやれるほど僕のテテフは甘くはないよ!『自然の力』!」

 アバゴーラが首をのけぞらせてヘッドバッドをしようとするのに対し、テテフは自然の力をフィールドの力を借りて念力に変える。アバゴーラの特性は相手の攻撃を必ず一発耐える『がんじょう』だが既にアシレーヌの攻撃はヒットしている。素の速度で負けようと耐えられれば返り討ちにできる。
 だが、クルルクは近づいたアバゴーラを見て気づいた。破壊した殻のうちに隠れていた、その腹に巻かれた布に。

「残念だがこの展開は読んでいる。この瞬間アバゴーラに持たせた『達人の帯』の効力が発揮される」
「『殻を破る』に加えて『達人の帯』!?」
「この道具を持つポケモンが相手の弱点を突いた技による攻撃を命中させるとき、そのダメージを1.2倍にする。この一撃で戦闘不能だ」
「くっ……仕方ない、テテフ『気合の襷』の力を使って!」

 テテフの頭にリボンのように巻いておいた襷の力が発動される。テテフは特性『がんじょう』と同じ効果を持つ道具で体力ギリギリでヘッドバッドに耐え、カウンターでの念力をその腹に叩き込む。アバゴーラの体が吹き飛ばされ、腹を天に向
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