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空に星が輝く様に
58部分:第五話 部活でその七
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第五話 部活でその七

「太宰治よ」
「太宰ね」
 それを聞いた星華の顔が暗いものになった。
「太宰治って。何かベタよね」
「そうよね。文学少女って感じよね」
「狙い過ぎじゃない」
「全く」
 こう言って顔を顰めさせる四人だった。そのうえで月美への偏見を強めていく。そしてそれがそのまま態度に出てしまうのだった。
 星華は三人を連れてその月美のところに来た。そのうえで言うのだった。
「あのさ」
「はい?」
「どうなったのよ、あれ」
 まずはこう月美に言うのだった。
「あれよ。どうなったのよ」
「あれとは?」
「だから。クラスの日誌よ」
 実は今思い出して言ったのである。言い掛かりだからそうなるのも当然だった。
「今日取って来るんでしょ。それで日直に渡すんじゃない」
「そうよ、それよ」
「日誌よ」
「それどうなったのよ」
 三人も月美の席を半月状に囲んでだ。そのうえで銘々言うのだ。
「まさか持って来てないとか言うんじゃないでしょうね」
「クラス委員がそれでいいの?」
「本読むのもいいけれどちゃんとしてよね、そっちも」
「はい、それでしたら」
 しかしであった。ここで月美は晴れた顔になってだ。そのうえで答えてきた。
「もう持って来ています」
「えっ!?」
「ここにあります」
 その言葉に驚く月美達に対してさらに言ってきてだ。それから自分の机の中から黒いものを出してきた。それを四人に見せてきたのだ。
「これですよね」
「え、ええ」
 星華は彼女のその言葉を戸惑いながらも受けた。
「それだと思うわ」
「そうですか。じゃあすぐに日直の人に渡しますね」
「あるならあるって言えばいいのに」
「そうよ」
「早く言いなさいよ」
 攻撃する材料がなくなったので四人はすっかりやる気をそがれてしまっていた。それでもぶつくさとした感じで言葉だけは出すのであった。
「全く。じゃあね」
「早く渡しなさいよ」
「いいわね」
「はい、わかっています」
「ふん、何よ」
 四人はすごすごとした感じで月美の前から去る。星華はその彼女の方を振り向きながらそのうえで忌々しげに呟くのだった。それしかできなくなっていた。
「あるならあるって言えばいいのに」
「そうよ、勿体ぶってさ」
「感じ悪いわ」
「本当よね」
 三人もそれに続く。しかしだった。
 勝敗は明らかだった。四人は敗れた。そして退けた月美はである、そっと携帯を出してメールを送る。メールを送りながら呟くのだった。
「愛ちゃん、有り難う」
 こう御礼も言う。そしてその日の昼だった。月美はこの日は食堂にいた。そこで椎名と向かい合って座りそのうえで話をしている。
「有り難う」
「メールのことね」
「うん。愛ちゃんが日直日誌を取りに行こう
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