宝具の相性って概念を押し付ける形で決まるんだけど、じゃあ概念の押し付けが効かない敵はどうする?って話
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の吸血鬼の弱点とされる十字架や太陽、聖なる武器の類は無意味と考えていただきたい。また、レオ君のような例外を除けば吸血鬼と一般人の区別をつけることは、被害が出てからでないと分かりません。一般人にも出来る唯一の判別方法は『鏡に映らない』程度ですな」
(うわぁ、死徒二十七祖とは根本的に作りが違うだけあってある意味あっちより面倒な……)
「また、吸血鬼はチリ一つ残さない性質の攻撃を受けても瞬時に再生します。凍らせても燃やしても魔術でも科学でも、人類はあらゆる撃滅方法を模索しましたが、未だ決定的な力を持たずにいます」
(げぇ、なんという再生能力……こりゃ『最悪』直死でもいないと厳しそうだ)
直死じゃないと死なないというのはサーヴァント的には凄いことだ。
しかし、エイブラムスはその『最悪』を平気で踏み越えていった。
「空間ごと消滅させても当然無意味です。再生します」
「ふむ……?」
「DNAレベルで相手を破壊する技術も開発されていますが、奴らの再生能力を前には正直焼け石に水。活火山にジョウロで水を差すようなものです」
「ふ、ふむ……?」
「また、伝説の牙狩りにはチリも残さぬぐらいに破壊しつくす超人もいるのですが、その超人に滅殺された吸血鬼も時間が経てば世界のどこかで復活します」
「えっ」
「また、HLの世界では概念や因果、確率等を限定的に操作する兵器等もあるのですが、やはり駄目でしたな。連中には概念的な力さえ通じないので死の概念を押し付けても暖簾に腕押しです。そもそも相手にされてすらいないといった具合ですな」
「ちょ、ちょっと待った!それでは――勝ち目がないのではないかい?」
その言葉に、エイブラムスはいたって真面目な顔でこう返した。
「先程の言葉通りです。『人類はあらゆる撃滅方法を模索したが、未だ決定的な力を持たずにいる』……唯一、クラウス君とレオ君の二人が揃っている場合に限って、激戦の末に『封印』するのがやっとといった状態ですな」
この日、英霊は初めて自分たちが『現行の人類と同じ立ち位置に居る』ことに気付いた。
さて、この強敵の打倒に真っ先に名乗りを挙げたのがオジマンディアスである。
地上にあってファラオに不可能なし、と口にして憚らない彼は自分にそいつを殺せない訳がないといつも通りフハハハハハ!と大笑いしながら出陣し――そして、酷く不機嫌な顔で帰ってきた。奇しくもこの戦いで、サーヴァントはやっとこの世界の吸血鬼のヤバさを思い知ったのである。
オジマンディアスは太陽の化身、本来ならば吸血鬼が絶対に会いたくない存在であり、彼の振るう全ての力が吸血鬼にとって致命傷になる。しかしこの世界の吸血鬼の中でも長老級というのは、「神性存在が弄りまくった存在」であり、言ってしまえば超神秘と超科学をごち
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