宝具の相性って概念を押し付ける形で決まるんだけど、じゃあ概念の押し付けが効かない敵はどうする?って話
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英霊はもはや人間ではないのだが、れっきとした人類ではある。だから受肉したらメチャクチャ強いけどちゃんと人間になるし、基本的には生前以上の強さを得ることはないとされている。まぁ、グランドオーダーやその後を知るサーヴァントからは「ええー、本当にござるかー?」と大分疑問視されていたりもするのだが、それはさておき。
英霊はかつての人間で、性質としては人類である。
で、あるならば――『現在の人類では決して殺し得ない存在』は、英霊たちにも殺せないと言える。
『血界の眷属』、と呼ばれる存在がこの世界にいる。
いつ、誰が、何のために作り出したかもわからない『DNAに直接術式を書き込む』というキャスタークラスも頭を抱える出鱈目極まりない方法で製造された『改造人間』――。
またの名を、吸血鬼。
英霊たちも聞き慣れた、代表的な人類の敵である。
当初、英霊たちはライブラから提供された情報を聞いた時に「やはりか」と思った。彼らの元いた世界でも、吸血鬼と言えば人類悪を除けば間違いなく人類最大の敵である。月のアルテミット・ワンこと朱い月のブリュンスタッドに端を発する――この件は長いので省略させてもらうが、とにかく死徒二十七祖に匹敵する敵がいるのだ、と彼らは思った。それこそが十三人の長老なのだと。
とはいえ、死徒二十七祖は能力に大きなバラつきがあるものの決して英霊に勝てない類の存在ではない。一部怪しいのもいるが、13体なら何とかなるか、と英霊たちは当初思っていた。
少なくともカルデアの顔であった実績から代表を務めさせられたダ・ヴィンチちゃんはブリッツ・T・エイブラムスの説明を聞いた際そういう認識だった。ちなみに彼が幸運EXの男であることは、さっきライブラに突入しようとした龍的な何かが隕石を三発喰らって墜落したところを見て把握している。
――この時の英霊たちは、事前情報が少なすぎることもあって、フェムトのゲームは人類史に残るレベルの激戦だったと思っていた。余りにもHLを低く見積もりすぎていたのである。
「だが、十三人というのはあくまで最初に確認できた分だけでしてな。実際にはもっといるのです」
「ふむふむ」
「前に一度、永遠の虚の下にある異界にどれぐらい眷属共がいるかレオくんの義眼で確かめてもらったのですが……」
「ほうほう。奇しくもこの私と同じ名前を持つレオくんが。それで結果は?」
「……『下は、長老級を含む吸血鬼共の巣窟である』。それが結論です」
「うんうん……うん?」
ダ・ヴィンチちゃんは、十三体の筈の敵が急に百三十体くらいに増える瞬間を見た気がした。あとになって思えばこの見積もりでも甘い可能性もあるのだが。ともかく、情報である。
「長老級になると従来
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