第二章
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「心技体、特に心が」
「心ですか」
「それをどうにかする」
「それが大事ですか」
「これまでの日本チームの敗北は精神面の弱さからきている」
監督は自分がそうではと考えていることを選手達にも言った、むしろ選手達に対してなのでその声は尚更強かった。
「それを克服しこれまで以上に世界で勝つ為にな」
「精神面を鍛える為に」
「この佐和山で、ですか」
「ワールドカップの調整をしていきますか」
「徹底的にな、勿論怪我には気をつけるが」
怪我をすれば元も子もない、このことは監督にとっても言うまでもなかった。それでこのことにも言及したのだ。
「だが君達は技術体力以上にだ」
「精神面な強さ」
「それを身に着けてですか」
「ワールドカップに向かうんですね」
「そうだ、徹底的に鍛えていくぞ」
こう言ってだった、監督は選手達に猛練習を貸した。それはまさに戦場での叱咤であり監督の顔は鬼の様になっていた。
そしてだ、選手達にこうも言ったのだった。
「サッカーは戦争だ!」
「生きるか死ぬかと思え!」
「怯むな!」
「油断するな!」
「味方を信じろ!」
「必ず決めろ!」
とかく彼等の精神面について叱咤した、そうしつつだった。
練習がない時には長浜の街を歩き石田三成そして島左近のことを足でも調べていった。そうしてだった。
佐和山城があったというその山にも登ってみた、それも毎日の様に。その頂上から佐和山の街を見回しその美しさに感じ入りながらも。
こうも思った、この山を島左近が見て軍略を練ってもいたと思い関ケ原での彼の戦ぶりについても調べていき。
鬼の様にチームを叱咤した、左近は石田三成の軍師だったので彼の様に戦術戦略も真剣に考えていった。つまり彼自身が尤島左近鬼と呼ばれた彼から多くを学んでいた。
そうして学びだ、そしてだった。
彼は相手チームそれもワールドカップに出る全てのチームの情報を細かいところまで手に入れて対策も練った、これも島左近に倣ってだった。戦国の武将達は情報収集を怠らずそこから軍略を練っていたことが頭に入ったからだ。
彼自身もそうしていきコーチや選手達にそれぞれのチームへの対策を話した、すると彼等もここで唸った。
「全部のチームを調べるなんて」
「監督本気だな」
「ワールドカップで勝ちに行くな」
「ただ予選通過でよしとしていない」
「俺達に精神面でとか言ってるだけじゃない」
「そうしたこともやっているんだ」
頭も使っている、それがわかってだ。
彼等も遂に監督と同じく目覚めた、そうしてだった。
チームは監督の下一丸となり練習と戦略戦術に励む様になった。そのうえでワールドカップに挑んだ。すると。
チームは何と予選を一位で突破した、予選はオランダ等強豪が揃っているまさに地
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