逆さ磔の悪魔
ルーラー・オン・アズール
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えるのは違ぇよなぁ!?」
「その通りです。司令はどうにもこういう時に私達の扱いを軽んじている部分があります。」
不知火はムッとしながら、手袋の口を引っ張って指を填め直す。
「まぁ、そんなん言うても、作戦の内じゃ言われて終わりじゃ。」
「そう、浦風が言うことがもっともな理由だ!だがよぉ、今から俺達が役割を持って舞台に上がることは出来るはずだぜ?」
「と、言うと?」
「この空襲、仕掛けた奴が当然どっかにいる。俺達でそいつの所在を見つけ出して叩き伏せる!」
「天龍!さっきの決着から数刻でこの空襲よ!また私達が仕留めても、すぐまた仕掛け直してくるんじゃ!?」
天龍の言葉に、陽炎は反論する。
ほんのさっき、リバースド・ナインを仕留めたばかりなのに、またこうして空襲してきた。
これがもし、リバースド・ナインが復活して襲いかかったのだとしたら?
その可能性が、一番高いのだ。
「だとしたら、ウチの提督が完全に読み違えたっつーことだ!そん時はそん時だろ!」
「まぁ、私達が考えても確かに詮無いことですね。」
浜風も、今回のネームレベルの正体を予想している。
CV-6エンタープライズ。
何度も戦場に返り咲く不死身の空母など、これ以外にいるものか。
「そして一隻の応急修理された空母があった」
この一文こそが、彼女の存在を絶対としているのだ。
太平洋戦争が誰の英雄譚であったかと言うならば、おそらくはこの一隻の普通の空母のものであっただろう。
それが今、私達に牙を剥いたとしたら、おそらくはこうなるだろうと思う。
彼女一人に、帝国海軍の代役となるだろう私達は、どれだけの出血を強いられる?
壬生森はだから、これを撃破するべくここに来たのだ。
私達でなら、あの時に届かなかった一撃が届くと、信じたのだと思う。
いや、違うか。
『届かなかった一撃を届かせる手段があったから、私達を動かした』のだろう。
彼は、そういうことをする男だ。
そして、私達がどう動くかもおそらく予期しているし、それさえも彼は自分の思考の内に収めている。
だとしたら、きっとこの行動もまた、彼の作戦の内だろう。
「加賀さん!抜けてきたのはこっちでやっつけます!取りこぼしにお構いなく!」
『みのぶ』第二甲板上、そこは今や、加賀一人のための踊り場となっていた。
航空管制に全力を注ぐがために、横波一つさえも命取りとも言える状態になる彼女は、艦が艦に乗っているというこの状況でなければならない。
そして、その状況を万全にするために、吹雪が護衛に付いている。
この艦隊で現代艦との戦術リンクという技術の最先任とも言える彼女は、イージスを持ってしても抜かれた攻撃に対する最後の防御だ。
「この攻撃、本
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