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彼願白書
逆さ磔の悪魔
カウント・ダウン
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は、瑞鶴に信頼を置いている。
加賀に言わせれば「感情に揺さぶられている内はまだまだひよっこ」と言うだろうが、その当人が他ならぬ、当代きっての激情家である。
龍驤は、きっと同族嫌悪なんだろうなぁ、と見ている。
そう振り返れば、この艦隊は、割と激情家とヤキモチ焼きと寂しがりが多いな、と思うのだ。
その中心にいる者が、そういう者を呼び寄せてしまう相が出ているからだろうが、結果としてこの艦隊を結成できたのだ。
良きことか、悪しきことかは、後の者達にでも判じてもらうとしよう。

「鶴姉妹!ヘリ針路上に敵航空機部隊や!追い散らしてまえ!」

「任せて!翔鶴姉!」

「瑞鶴、行くわよ!」

瑞鶴ばかりを見てしまうが、翔鶴も翔鶴で巧みだ。
途中までは瑞鶴の部隊の後ろに連ねるように飛ばしておいて、瑞鶴の部隊が仕掛けた瞬間に一気に囲うように散り、瑞鶴の襲撃に対応しようとしたものを各個撃破していく。
激情的かつ怒濤とも言える瑞鶴の切り込みに、散らされた敵に追い打ちをかけるように襲撃していく様は、悪辣と言ってもいい。
多少の数的不利さえも覆してしまう、姉妹だからこその必殺の一撃。
迎え撃てば瑞鶴が押し潰し、躱せば翔鶴が狩る。
それを絶対とするまで鍛えられた航空管制。
何もない彼女達を一から鍛えてきた龍驤は、今こそ思う。
彼女達の鍛え方を、間違えていなかったと。

「さぁ、どっちを狙うんや?グレイゴースト。言うとくけど、こっちは片手間でやれるような鍛え方はしとらんよって。あっちは知らんけど。」
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