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彼願白書
逆さ磔の悪魔
カウント・ダウン
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か?誰の手柄だ?」

「木曾、んな細けぇもん気にすんな!よぉっしゃ!リバースド・ナインをとっととブッ飛ばして、飯にすんぞ!」

よっしゃ!ゴーゴー!と木曾の肩に腕を回しながら、天龍がゴーサインを出す。
その合図で、ヘリは甲板から浮き上がる。

「……完全に倒したあとみたいな盛り上がりになってるわね。」

「まぁ、勢いっちゅうのは大事じゃけ。追われるもんより、追うもんのほうが強いけぇ言うじゃろう?」

陽炎と浦風はそんな彼女達に、ただ苦笑いしつつも、やはりこのあとのご飯を期待していた。
彼女達だって、外の刺激は欲していないわけではないのだ。






『鈴谷、聞こえてるか?』

「バッチリだよー!前回、改造の調整が間に合わなかった分、今回はバーッチリ仕事するから、ちゃーんとあとで褒めてね!」

『褒める点が一個減ったな。』

「ひどくないっ!?ピリピリしてるんだろうな!って思ってのことなのに!」

鈴谷はインカム越しに、久しぶりに壬生森と『提督と艦娘としてのやりとり』を楽しんでいた。
もとより今まで壬生森からの指示は金剛か熊野が受けるのが定番だったのだ。
それを今度は、自分が引き受けることになり、不安はあった。
その不安を誤魔化せたのは、他ならぬ熊野の説得だった。

「鈴谷、不安になる必要はありませんわ。貴女の仕事は、彼の指示を噛み砕いて聞く。必要な指示を、判断材料と共に仰ぐ。それでよいのですから。それに、何があっても責任を取るのは彼です。貴女から必要なことが足りなければこちらでフォローしますわ。」

はたしてそれが説得と言えるかはわからない。
しかし、鈴谷の肩の荷が、いくらか下りたのは確かだ。


『今回、熊野をこっちに残している分、前線指揮を君に任せる。問題は無いな?ミッションは2つ、『みのぶ』『ゆきなみ』の護衛、ヘリの対空護衛、この2つだ。洋上、空中、どちらが欠けても我々はリバースド・ナインに届かない。心してかかれ。』

「ふっふーん……鈴谷にお任せ、ってね!空母各員、直掩及び輸送ヘリの護衛に戦闘機発艦!状況次第でリバースド・ナインを先行して空襲すると思うから、爆撃機と攻撃機の発艦を即時待機ね!」

「任しときぃや!鶴姉妹!気張って行きや!」

「言われなくても!」

龍驤の発破で、瑞鶴が少々ムキになって発艦させる。
余人であれば、精神の平静を失っている上での作戦行動などあり得ないだろう。
ただ、それが、この瑞鶴であった場合はどうか?
それを知り尽くしているからこそ、龍驤は瑞鶴を『最高のコンディション』にすることを欠かさない。
瑞鶴は特異なことに、キレればキレるほど、その管制能力は昂っていく。
簡単に言えば、極端に負けん気が強いのだ。
だからこそ龍驤
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