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戦闘携帯への模犯怪盗
STAGE2-1:いらっしゃいませ、私の宝を頼みます。
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 ギャラリーが、大きくどよめいた。宙へ舞った服に一瞬気を取られた隙に現れたのは赤いジャケットに黒のデニムパンツ。黄金の扇を開いて見せつける怪盗クルルクと、その横に守るように立つソリストポケモン、アシレーヌだった。アシレーヌのバルーンには歌声を変える力がある。それを霧吹きに中に入れて、定期的に喉にあてることで声を変えたのだ。既にその声は、中年の警部のものから若い少年のものに戻っている。
 リュウヤはピジョットの足をつかんで降下し、地面に降り立つ。ギャラリーが突風に慌てて離れ、怪盗と島キングがコニコシティの道路に向かい合った。

「決闘だ怪盗クルルク。三対三のポケモンバトルでお前が勝てば、宝は好きにしてくれて構わない。だが負けたら、宝を返して、ついでに本物の警部の居場所を教えてもらう」
「ああ、警部なら近くのトイレでちょっと居眠りしてもらってるよ。ほっといてもあと三十分もしないうちに目が覚めるんじゃないかな? もちろん決闘には乗るよ!挑まれたポケモンバトルは拒まない。それが僕、『模犯怪盗』だからね!」
「相変わらず話が早いな……なら行くぞ。先鋒は頼むピジョット!」
「かかってきなよ、島キング!まずは君に任せたよ、ヴァネッサ!」

 ヴァネッサとニックネームをつけたアシレーヌの泡を、ピジョットが吹き散らしにかかる。アローラの日差しの下で、宝を賭けた戦いが今日も始まる。

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