逆さ磔の悪魔
スプローリング・バースト
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ぶんそいつに、例のビッグパパが乗っとると思うで?』
壬生森はそれをインカムで聞きながら、戻った席でやはり同じように頬杖を突きながらメインディスプレイに新たに追加されたグリッドのコード割り振りを見る。
指揮艦らしき艦へ『paps』と振られたところで壬生森は口を開く。
「では、この艦はこのまま防空に専念。龍驤はブルネイ艦隊の戦況を注視!リバースド・ナインの行動次第で状況は簡単に引っくり返る!」
「偵察機により目標視認!奴です!グリット修正!」
『こちら第2艦隊所属航空隊!第一波、合流地点にて合流!』
『基地航空隊、ゼロポイント通過!ヒトヨンサンフタ、メテオル作戦開始!第一段階、陽動始め!』
無線越しの指示で、導火線は火を纏った。
全ては、後戻りのない一方通行。
行ったっきりの鏑矢の如し。
「OK!第一フェーズ、航空攻撃!GO!」
金剛の合図で、赤城と加賀が既に飛ばしている機体への指示を飛ばしつつ、第2攻撃を既に構えている。
「第一次攻撃隊、攻撃配置!艦爆隊、高度5000まで上昇して!」
「雷撃隊、高度300まで降下。戦闘機隊は各機、エンゲージ。」
赤城が艦爆を受持ち、加賀が雷撃を受け持つ。
そして、その二人だけの攻撃ではない。
『そっちにばかり任せていられないわね!こっちも遅れずに続いて!』
『こっちの攻撃隊も続けるよ!行っけぇえーっ!』
『基地航空隊、高高度爆撃、第一弾投下!弾着までカウント開始!』
無線越しだが、飛鷹と隼鷹の航空隊も赤城達の後ろにぴたりと付けた。
全部の発艦スケジュールが噛み合わなければ成り立たない、一切の遅れなしの合流からの一斉飽和攻撃。
飛鷹達のやってるそれは、まさしく芸術的な航空管制だ。
普段なら並大抵の戦力はこの第一次攻撃だけで滅びるし、ここまでする必要がそもそもない。
それを強いているのは、まさしくターゲットのネームレベルだ。
「敵航空機、再度発艦!数、フタジュウロク!」
「この期に及んで、まだ出してくるネ……」
神通が紫雲越しに見ているものくらい、金剛からも見えていた。
『彼女』が手をかざした前にぶわりと浮かべた黒い靄、そこに構えた弓から矢を撃ち込むことで、一気に発艦したその数、26機。
「敵は迎撃しか出来ません。このまま押し切ります!」
「ここで臆してはなりません。数は依然として我々のほうが圧倒的に優位、このまま彼女は圧殺されるのみです。」
赤城と加賀が言うことはもっともだ。
そして、金剛もこのまま押し切るべきだと思っている。
他にそもそも最善などない。
「OK、このまま押し潰すネ!全艦全機、GO AHEAD!」
彼女達は、前に進むことを決意した。
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