52部分:第五話 部活でその一
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第五話 部活でその一
第五話 部活で
八条学園の部活の始動は早かった。入学して暫くでもうはじまっていた。
「行って来ます」
「あれっ、もうなの?」
「朝練か」
「ああ、そうなんだ」
陽太郎は朝食を食べ歯を磨いて顔を洗ってすぐに家を出る。その時に両親に言うのである。
「もうなんだ」
「早いわね」
「そうだよな、部活がはじまるのが」
「まあそうだよな」
言われてみてそのことに返す両親だった。陽太郎もそれに返す。
「早いよな」
「ええ、それでもいいことね」
「部活でいい汗を流せるのはな」
「顧問の先生もしっかりした人みたいだし」
陽太郎はそれも聞いて安心していたのである。
「別に無茶な暴力振るったりおかしな練習強制する人でもないみたいだしさ」
「そういう先生って多いからね」
「全くだ」
二人もこのことは知っていた。教師という世界は閉鎖的な世界故かどうしてもおかしな人間も割合的に多くそのうえそうした人間が排除されない世界なのである。
「おかしな親も多いけれど」
「おかしな先生も多い」
これが世の中だった。
「そうした先生に教わってもね」
「いいことはないからな」
「いいことないんだ」
「当たり前でしょ。暴力受けて何かあってからじゃ遅いじゃない」
「心か身体に傷を負ったらどうするんだ?」
こうしたことが実際に起こるのが世の中である。そしてそうした教師が問題にならないということは腐敗そのものであると言ってもいい。
「そんなことになるのなら剣道は道場でもできるから」
「別にそこまでして部活に行くこともないからな」
「剣道は道場でもできる。まあそうだけれど」
陽太郎もこのことはよくわかっていた。わかり過ぎる程にだ。
「わかってない人間も多いからね」
「顧問のよし悪しが部活を決めるのよ」
また言う母だった。
「もう碌でもない教師もいるから」
「そうなんだよな。まあ中学校はそうじゃなかったけれど」
言い換えれば今の高校はわからない、そういうことになる。
「まあ今は頑張るか」
「とりあえず今はな」
「しっかりとやって来なさい」
「じゃあ行って来るね」
妹はまだ寝ていたので挨拶はしなかった。こうしてもうはじまっている朝の練習に参加するのであった。そうしてその電車に乗るとだった。
「あっ・・・・・・」
「おはようございます」
乗ったその車両に月美がいた。席の端の座って本を読んでいる。その彼女に会ったのである。
「この電車なんですか」
「部活の朝練でさ」
「私もです」
相変わらずおどおどとした調子で返す月美だった。
「それは」
「そうなんだ。ああ、そういえば居合部も」
「はい、朝練です」
それであるおいう
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